映画「42〜世界を変えた男〜」を見る

42〜世界を変えた男〜 42
2013年 アメリカ 128分
監督:ブライアン・ヘルグランド
出演:ジャッキー・ロビンソンチャドウィック・ボーズマン)、ブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)、レイチェル・ロビンソン(ニコール・ベハーリー)、レオ・ドローチャードジャース監督。クリストファー・メローニ)、ピーウィー・リース(ショート。ルーカス・ブラック)、ラルフ・ブランカ(ハミッシュ・リンクレイター)、ディクシー・ウォーカー(ライアン・メリマン)、カービー・ヒグビー(投手。ブラッド・バイアー)、エディ・スタンキー(ジェシー・ルケン)、ハロルド・パロット(T・R・ナイト)、ウェンデル・スミス(記者。アンドレホランド)、ベン・チャップマン(アラン・テュディック)
白人選手しかいなかったメジャー・リーグに登場した黒人選手ジャッキー・ロビンソンの孤独な戦いを描く。
1945年、ブルックリン・ドジャースGMリッキーは、周囲の猛反対を押し切って、ニグロ・リーグの選手ロビンソンをドジャース傘下の3Aリーグのチーム、モントリオール・ロイヤルズに入団させる。逆境の中で実績を残し、1947年、ロビンソンはドジャーズと契約し、背番号42をつける。
(この背番号は、1972年にドジャース永久欠番とされ、1997年にはMLB全球団の永久欠番となった。)
ロビンソンは、様々な差別待遇や嫌がらせを受けながら、リッキーの「やり返さない勇気を持て」という言葉を支えに、屈辱に耐え、プレーに集中して野球選手としての能力を発揮することで、チームメイトや世間からの信頼を勝ち取っていく。
予告編から予想される通りの展開ではあった。
が、ロイヤルズで初めてプレーした後、路上で一見いかにも差別主義者らしい白人のおじさんが寄って来て「誰だろうと実力がある者はみとめられるべきだ」と、意外にもロビンソンを応援する言葉をかけたり、駅で見送る黒人の子どもに動き出した汽車からロビンソンがボールを投げてやったり、敵チームの監督チャップマンがあまりに口汚くロビンソンを罵るので味方チームのメンバー(スタンキー)がロビンソンに同情して抗議したりするところなどは、気が効いていてよかった。
ロビンソンと守備位置がかぶっていたリースが、自分の故郷で試合をする際、地元の人から脅迫状を1通受け取ったことでリッキーに相談をしにやってきて、ロビンソンにはそれよりずっと過激な内容の脅迫状が大量に届いていることを知り、試合の日、地元球場のグラウンドでロビンソンに走り寄って肩を抱いて話をする様子を地元の観客に見せるのもよかった。
ロビンソンが、ホームランをばんばん打つスラッガーというわけでなく、ロイヤルズでもドジャースでも、盗塁をねらって投手をかく乱するという地味な能力を見せるのもよかった。盗塁の成功は打者の士気を高める。2塁ベースから離れ、腰を低くして3塁をねらう彼の姿が、印象に残る。

<セリフ>
Jackie Robinson: You want a player who doesn't have the guts to fight back?
Branch Rickey: No. I want a player who's got the guts "not" to fight back.
Jackie Robinson: You give me a uniform, you give me a number on my back, I'll give you the guts.