映画「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」を見る(感想)

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ  GODZILLA: KING OF THE MONSTERS

2019年 アメリカ 132分

監督:マイケル・ドハティ

音楽:ベアー・マクレアリー

出演:マーク・ラッセル(カイル・チャンドラー)、エマ・ラッセル(ヴェラ・ファミーガ)、マディソン・ラッセル(ミリー・ボビー・ブラウン)、芹沢猪四郎(渡辺謙)、アイリーン・チェン/リン・チェン(チャン・ツィイー)、スタントン(ブラッドリー・ウィットフィード)、ヴィヴィアン・グレアム(サリー・ホーキンス)、アラン・ジョナ(チャールズ・ダンス

ゴジラ、キングキドラ、モスララドン

キングコング、ムートー、ベヒモス、シラ、メトシェラ

GODZILLA ゴジラ」から5年後。

キングコング 髑髏島の巨神」でも出てきた特務機関モナークは、すごい組織になっていて、世界各地に基地を設置し軍隊並みの兵器を備え、怪獣たちを見守っている。

怪獣と交信する装置「オルカ」を開発中の科学者エマは、娘のマディソンとともにモナークの基地がある中国雲南省に居住し、モスラの孵化を見守っていたが、ある日、オルカを狙う環境テロリストのジョナらによって拉致され南極に連れていかれる。そこにはモンスターゼロと呼ばれる3つ首龍の怪獣(キングキドラ)が眠っていた。他にも、バミューダ海峡にあるモナークの基地「キャッスル・ブラボー」で芹沢博士らがゴジラを見守り、メキシコの火山島イスラ・デ・マーラの活火山にはラドンが眠っているのだった。

GODZILLA ゴジラ」でもそうだったのだが、どうもこのシリーズのゴジラものではドラマ部分で眠くなってしまい、その間にいろいろ話が進んで細かい設定を知らないまま終わってしまう(チャン・ツイィーが双子役という設定なども見逃してしまった)。

怪獣たちが登場する画面は、それぞれの目覚めのシーンでも、格闘シーンでも、豪華絢爛で凝っていて、たいへん見ごたえがあって、これこそまっとうな意味での目の保養という感じがした。映画というよりは、動く怪獣絵図を鑑賞しているようだった。

芹沢博士の渡辺謙は前作に引き続き、「ゴ・ズィーラ」ではなく「ゴジラ」と発音し、オキシジェン・デストロイヤーを持って突っ込む。

エンドロールでは、ゴジラのテーマ曲もモスラの歌も流れるし、最後に出る献辞は、2017年に亡くなった坂野義光氏と中島春雄氏両名へ捧げるものだった(坂野氏は「ゴジラ対へドラ」(1971)の監督で「GODZILLA ゴジラ」のエグゼクティブプロデューサー、中島氏は初代ゴジラスーツアクターだそう)。原点への敬意やこだわりが随所に見られ、ディープなファンにとってはありがたいのだろう。

私はそこまでではないのだが、それにしても、この歳になっても怪獣を見るとわくわくする。ゴジラが咆哮してあの背びれを見せて海に潜った後に巨大な尾が振り上げられて水面をバッシャーンとたたいて去る様に高揚する。子どものころの怪獣体験が染みついているのか、私が割と爬虫類好きだからなのか、それとも人にはそういうものを好む性質が備わっているのか、不思議な気がする。

関連作品(モンスターバース作品):「GODZILLA ゴジラ」(2014)、「キングコング 髑髏島の巨神」(2017)

※モンスターバース (MonsterVerse) とは、アメリカのレジェンダリー・ピクチャーズが日本の東宝と提携して製作し、ワーナー・ブラザースが配給する、怪獣映画のシェアード・ユニバース作品のこと。さらに、シェアード・ユニバースとは、「共有された世界観」の意味で、小説や映画などのフィクションにおいて、複数の著者が同一の世界設定や登場人物を共有して創作する作品のことをいうらしい。