時間逆行映画「TENET テネット」を見る(がよくわからなかったという感想)

TENET テネット    TENET
2020年 アメリカ 150分
監督:クリストファー・ノーラン
出演:男(CIAエージェント。ジョン・デヴィッド・ワシントン)、ニール(謎の相棒。ロバート・パティンソン)、クロスビー(M16の連絡員。マイケル・ケイン)、バーバラ(研究者。クレマンス・ポエジー)、マヒア(工作員。ヒメーシュ・パテル)、アイヴス(実働部隊隊長。アーロン・テイラー=ジョンソン)、
サンジェイ・シン(ムンバイの武器商人。デンジル・スミス)、プリヤ(シンの妻。ディンプル・カパディア)、
セイター(ロシアの武器商人。ケネス・ブラナー)、キャサリン(セイターの妻。エリザベス・デビッキ)、ヴォルコフ(セイターの部下。ユーリ・コロコリニコフ)

★ちょっとねたばれあり★

時間が逆行する映画で、一度見ただけではわからないと言われている話題作。
心して見始めたが、すぐわけがわからなくなった。
冒頭のオペラハウスのテロ事件での人質救出場面で、この場面が後から何度も繰り返されるかもしれないと一生懸命見たのだが、救出部隊はマスクをつけていて顔がわからないし、動きとセリフが速すぎてだれがなにをしようとしているのかよくわからなかった。結局このシーンはプロローグ的なものだった。「黄昏に生きる」「宵に友なし」というやりとりも大事な合言葉かと思って覚えたが、そんなでもなかった。
時間ネタが分かりづらいとかではなく、さらっとした説明のあとにいろいろ実行するのだが、歳のせいか、それが早くて追い付いていけない。飛行機を倉庫に衝突させるのも、カーチェイスも、最後の戦いも、アクションシーンは迫力があって見ごたえがあるのだが、この人たちなんのためにこれをやっているんだっけと途中で思ってしまう。
未来から送られてきた「逆行する弾丸」、未来で起こる第三次世界大戦を防ぐために9つのアイテムからなる「アルゴリズム」というものを奪還せよという指令、謎の相棒と力を合わせてミッションに挑むエージェントという、「ターミネーター」と「007」がごたまぜになったような話だが、「ターミネーター」や「007」シリーズみたいに状況がすんなり頭に入ってこない。つっこみどころはあるけどとりあえずこうするのねと思ってそのシーンを楽しむ、という気になりづらい。
通路で殴り合いをしたマスクの男が実は時間を逆行してきた自分だったという場面は、わかりやすい時間ネタ的なシチュエーションで面白かった。動きのひとつひとつをきっとていねいに逆行して撮ってるんだろうと思いつつ、そんなのDVDにでもならなきゃ確認できないし、本気で検証しようと思ったらDVDでも根気のいる作業になりそうだ。
プロローグのオペラハウスのシーンから逆行する弾丸が地味に映っていたのには気づいたが、ガラスで仕切られた部屋の回転ドアを抜けると時間が逆に流れているとか、時間を逆行するときは酸素マスクをつけるとかいう設定はよくわからなかった(後から検索して知った)。時間の挟み撃ちというのはおもしろいと思ったが、それで普通の挟み撃ちとはちがう、どんな効果が得られるのか、よくわからなかった。
もう一度見ていろいろ確認したい気もするが、実際にすぐまた映画館へ行きたくなるほどではなかった。
主役(なぜ名前がないのかもわからない)のワシントンも悪くなかったが、ニール役のパティンソンが男前でかっこよく、セイター役のブラナーは貫禄があってよかった。

 

https://wwws.warnerbros.co.jp/tenetmovie/index.html