映画「モンタナの目撃者」を見る(感想)

モンタナの目撃者 THOSE WHO WISH ME DEAD
2012年 アメリカ 100分
監督:テイラー・シェリダン
出演:ハンナ(アンジェリーナ・ジョリー)、コナー(フィン・リトル)、イーサン(ジョン・バーンサル)、アリソン(メディナ・センコア)、オーウェン(ジェイク・ウェバー)、
ジャック(エイダン・ギレン)、パトリック(ニコラス・ホルト)、アーサー(タイラー・ペリー)

悪事の証拠を持っているため組織から命を狙われている男が、殺される直前に証拠の品を息子の少年に託す。悪事に加担した大物たちは、証拠隠滅のため少年にも殺し屋を差し向ける。逃げる少年に、見ず知らずの女性が救いの手を差し伸べる。
この筋立ては「グロリア」という映画を思い出させるが、「グロリア」では舞台は大都会ニューヨーク、ヒロインは悪の組織のボスの元愛人だったのに対し、こちらでは舞台はモンタナ、ヒロインは森林消防隊のリーダーである。それで物語はだいぶ趣を変える。
山の斜面に広がる針葉樹林、その中にポツンと立つ火の見やぐらの塔、山の中を流れる川など雄大な景観が楽しめるが、追手の殺し屋だけでなく、雷と山火事という大自然の脅威が主人公たちを襲う。
森林消防隊員のハンナは、かつて山火事で風向きを読み違い、3人の若者を死なせてしまったことで心に傷を負っていた。ある日、彼女は、山の中をさまよう少年コナーと出会う。突然父を殺され自分も殺し屋に追われる身となったコナーは、誰かに縋りたいと思う一方、人を信じることに恐怖を抱いている。それに対し、ハンナが「私は信用していい人間だ」と言い切るのがいい。
殺し屋二人組の登場シーン、「仕事」を終えた二人がガスの配管修理でもしてきたようにビジネスライクに話す様子はなかなかよく、ボスの小男のジャックとちょっと男前で長身のパトリックの取り合わせが絶妙だ。
フロリダに住むコナーの父親が頼ろうとしたのは、モンタナで警官をしている義弟のイーサンである。イーサンはハンナの元彼であり、妻のアリソンは子供を身ごもっている。殺し屋二人は、家に一人でいたアリソンを襲う。アリソンはひどい目にあわされてしまうのだろうと思ったら突然反撃に出るので驚く。彼女は思わぬ活躍をしてみせる。
主役のハンナを演じるアンジェリーナはさすがの存在感だが、登場する人たちがそれぞれよい感じだ。山火事の迫力ある画面も見られ、わくわくどきどきしながら楽しめる。

映画『モンタナの目撃者』| 大ヒット上映中!