映画「レイジング・ファイア」を見る(感想)

レイジング・ファイア 怒火 RAGING FIRE
2021年 香港 126分
監督:ベニー・チャン
アクション監督:ドニー・イェン
スタント・コーディネーター:谷垣健治
出演:ボン警部(ドニー・イェン)、ンゴウ(ニコラス・ツェー)、
チン、ニン、ウォン、マンクワイ
イウ警部(レイ・ルイ)、フォック(銀行の会長)、副総監、ボン警部の妻(チン・ラン)

★途中までのあらすじを書いています★

 

現代の香港を舞台にしたハードなポリス・アクション。
実直な腕利き刑事と、上層部の裏切りによって犯罪者となり復讐に燃える元若手警官らとの戦いを描く。
香港警察のボン警部(公式サイトではチョンとなっているが、字幕ではボンとなっていた。Imdvでは、"Cheung Sung-Bong”とある)は、長年追い続けてきた凶悪犯ウォンとベトナムの売人との麻薬取引の情報を得て、一味を一網打尽にする計画を立てる。が、直前になってボンのチームだけが出動を禁じられる。
現場には、ボン警部の友人イエ警部率いる警官隊が乗り込むが、正体不明の武装集団が乱入し、居合わせた者たちを誰彼構わず殺傷し、麻薬を強奪して去る。イエ警部も犠牲になってしまう。ボン警部は、警察上層部の息子が起こした暴力沙汰を見逃せという上からの命令に背いたことで直前に任務から外されたのだが、そのため命拾いしたのだった。
襲撃者は、ンゴウとその仲間からなる元警官5人組だった。ンゴウは将来有望な若手で、ボン警部は部下として目をかけていた。ある日、大手銀行の会長フォック氏が誘拐され、犯人の一人を追うンゴウら6名の若手警官チームは、フォック氏の監禁場所を聞き出すため、犯人に暴行を加え、自白後に死なせてしまう。彼らは命令をした副総監の保護を得られず、フォック氏からもやりすぎだと言われ、嘘をつけないボン警部の証言によって、殺人の罪で収監され警察も馘になる。仲間の一人は自殺し、残った5人は出所後凶悪な犯罪者集団となり、警察とフォック氏への復讐をもくろむ。
激しい銃撃戦や、香港の街中でのスピード感に満ちたド派手なカーアクション、あの手この手の格闘シーンと、アクション映画の見せ場満載で、久々に血沸き肉躍る思いを味わった。
ドニー・イェンはこれまで浮世離れした役でしか見たことがなく、「イップ・マン」では詠春拳の達人で黒いチャンパオ(丈の長い中国服)を、「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」ではチアルートというジェダ寺院の守護者で僧侶っぽい服を着ていたので、普通のスーツ姿が新鮮だった。イップ・マンは、チャンパオの袖をまくって白い裏地が袖口に見えたら本気で戦う気になっているとわかったのだが、ボン警部は、上着を脱いで白いシャツの上に防弾チョッキの姿になったとき(なかなか似合う)が闘うときである。
ンゴウ役のニコラス・ツェーは初めて見たが、危険なイケメンを演じてかなり人気が出そうな感じである。
それまでのアクションも楽しめたが、最後のボンとンゴウの一騎打ちは、ナイフでの戦いから、長い棒を振り回しての戦い、そしてそこらにある大道具を倒したりよけたりと大暴れする二人が見られて見応えたっぷりだった。
本編は2人の戦いが終わったところで後日談もなくぶちっと終わるのが香港映画らしくていいのだが、その後クレジットでは、これが遺作となったベニー・チャン監督の姿とともに撮影現場の写真が次々と映しだされ、監督作を見るのは初めてにも関わらず、じんときてしまうのだった。

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