映画「クライ・マッチョ」を見る(感想)

クライ・マッチョ CRY MACHO
2021年 アメリカ  104分
監督:クリント・イーストウッド
出演:マイク・マイロ(クリント・イーストウッド)、ラフォ(エドゥアルド・ミネット)、マルタ(ナタリアン・トラヴェン)、ハワード・ポルク(ラフォの父。マイクの元雇い主。ドワイト・ヨーカム)、レタ(ラフォの母。フェルナンダ・ウレホラ)、アウレリオ(オラシオ・ガルシア=ロハス)、マッチョ(雄鶏)

★映画のあらすじ書いてます。

元ロデオスターの年老いた男とメキシコの少年が国境目指して旅をする映画。
西部の荒野、メキシコとアメリカの国境、牧場、馬、と西部劇の要素満載である。
さらに、車好きに聞くところによると、マイクが乗る車がいろいろ変わるのも楽しいらしい。最初はシボレーのピックアップトラック。マイクが、メキシコに向かう旅に出て、牧場の馬の群れと並走する車はシボレー・サバーバン、ラフォといっしょになってからは、フォード、ベンツと乗り換えるそうで、その車の選択がかなり渋いらしい。けど、車のことはよくわからないので、そのおもしろさは味わえなかった。
妻子に先立たれ、仕事も引退して一人暮らしをしていたマイクは、元雇い主のポルクから、メキシコで元妻のレタと暮らす息子ラフォを引き取りたいから連れてきてほしいと頼まれる。豪邸で放蕩三昧の暮らしをするレタの元を逃れ、ラフォは雄鶏マッチョを相棒に闘鶏をしてストリートで暮らしていた。
ラフォはかなりたやすくマイクとアメリカの父のところに行くことを承諾するが、国境を目指す二人は、親権を持つレタの手下の追手や、誘拐ということで警察に追われる身となる。
追われる身なのに、途中、メキシコの町でレストランを営む美人の未亡人マルタと知り合い、都合よく牧場主に馬の調教を頼まれ、空き家の教会をねぐらにして、しばらくそこに留まることに。マルタやその孫娘たちと楽しく過ごし、ラフォはその中の年長の娘と仲良くなり、マイクとマルタもお互いに惹かれ合う。
旅を再開した道中、必ずしも父性愛からだけでない父の目論見を知ったラフォとマイクが諍いになったところへ、追手のアウレリオが登場。味方どうしが対立し不穏な空気になったところに共通の敵のインディアンが現れる、西部劇の作劇を思い出す。アウレリオはラテン系のイケメンで仕事をしているだけなのに、ひどい目にあってばかりで気の毒だ。
ラスト、金持ちのポークが自らラフォを迎えに来て、国境の向こう側で車に寄りかかって待っているのがいい。マイクに名残り惜しさを抱きつつ、父の待つアメリカに踏み出すラフォ。マイクはマルタのところに戻る気満々なのだった。
銃撃も激しい格闘もないが、荒野を風が吹き抜けるような開放感が、西部劇のそれを思い出させる。馬もよいが、マッチョという名の雄鶏がだいぶよく、タイトルロールだけのことはあると思った。

 

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