「プリミティヴ・ウォー恐竜戦争」では、ベトナム戦争のさなか、密林に恐竜たちがやってきて兵士らと死闘を繰り広げ、「オークストリートの異変」では1982年のアメリカの町の一画が先史時代にタイムスリップし、住人たちが住宅街で恐竜に襲われる。
どちらも、羽毛のある恐竜が登場していることが、これまでの恐竜映画とちがうところで、これは最新の学説を反映しているそうだ。
プリミティヴ・ウォー 恐竜戦争 Primitive War
2025年 オーストラリア 133分
監督・脚本・製作・編集・美術:ルーク・スパーク
原作・脚本:イーサン・ペッタス
脚本監修:デイル・ダイ
出演:
<古生物>ユタラプトル、デイノニクス、ティラノサウルス、スコミムス、スピノサウルス、エドモントサウルス、コリトサウルス、アンキロサウルス、トリケラトプス、アマルガサウルス、ドレッドノータス、ケツァルコタトルス(翼竜)
<ハゲタカ小隊>ライアン・ベイカー曹長(隊長。ライアン・クワンテン)、ゼイビア・ワイズ(副隊長。アドルファス・ウェイリー)、イーライ・テイラー(擲弾兵(てきだんへい)、重火器・爆発物担当。ニック・ウェクスラー)、リオン・バーン(新人無線通信士、生物学専攻。カルロス・サンソン・ジュニア)、チャーリー・ミラー(ライフル兵。アルバート・ムワンギ)、ローガン・ストヴォル(狙撃手。アーロン・グレナン)、ジェラルド・キーズ(観測手。アンソニー・イングルーバー)
ジェリコ大佐(ジェレミー・ピヴェン)、ソフィア(トリシア・ヘルファー)、コン・ネン(アナ・トゥ・グエン)、セルゲイ(M・J・ココリス)、ボロディン(ジェレミー・リンジー・テイラー)
1968年、ベトナムの密林に突如恐竜が出現する戦争SF恐竜映画。
消息を絶ったグリーンベレーの毒蛇部隊の調査にやってきたハゲタカ小隊は、密林で白亜紀の恐竜に遭遇する。森林の奥深くにロシアの研究所があって、そこで行われていた戦車を瞬間移動するためのワームホールの実験でエラーが生じ、先史時代と現代をつなぐワームホールができてしまい、大量の古生物がなだれ込んできてしまったという設定である。
導入はベトナム戦争映画として作られている。7人からなる小隊のメンバーそれぞれの役割や性格が丁寧に描かれ、戦場の密林で汗と泥にまみれるという過酷な環境の描写はベトナム戦争ものでおなじみである。しかしやがて彼らは、ものすごい数の肉食恐竜と壮絶な戦いを繰り広げることとなる。人を襲う肉食恐竜の定番としてやはりティラノザウルスが出てくるのだが、子どもを殺されたつがい(夫婦)で登場し、ガッパやラドンを思い出させる(幼体には羽毛が生えている)。そして空から攻撃してくるのはプテラノドンではなくケツァルコタトルスという翼竜で、巨大なくちばしで獲物をつっつくのが怖い。邦題のサブタイトル「恐竜戦争」は昔っぽい中に映画の中身を端的に表している。
また、戦いの合間に小隊の面々が巨大な草食恐竜たちがなごやかに過ごしている中を通り抜けたり、水辺に集まるトリケラトプスたちの姿を目にしたりするのだが、その際、彼らが恐竜の大きさと優雅さに圧倒されその光景を楽しんでいるように見える場面があったのがよかった。
恐竜の名前を確認したくてパンフレットを買ったら、恐竜のほかに、ハゲタカ小隊のメンバーの丁寧な紹介と、映画に出てくる銃器の説明、ルーク・スパーク監督と山崎貴監督の対談も載っていた。
オークストリートの異変 THE END OF OAK STREET
2026年 アメリカ 100分
監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル
出演:デニース・プラット(アン・ハサウェイ)、グレッグ・プラット(ユアン・マクレガー)、オードリー・プラット(メイジー・ステラ)、ブライアン・プラット(クリスチャン・コンヴェリー)、メル(P・J・バーン)、ジャネット(ジョーダン・アレクサ・デイヴィス)、ハドルストン夫人(アン・ジー・バード)
アロサウルス、ティラノサウルス、トリケラトプス、ティタノボア(新生代の全長13mの大蛇)
アメリカのある町。デニース・プラットは、夫のクレッグ、娘のオードリー、息子のブライアンの4人でオークストリート沿いの家に住んでいる。年代は1982年なので、スマホやインターネットはなく、デニースはポラロイドカメラで写真を撮り、タイプライターを使って家族に内緒で小説を書いている。根拠なく楽観的なクレイグとなにごともきびきびやりたいデニースは顔を合わせると言い争いばかりしていて、子どもたちはそれを不安に思っている。隣人のメルはいつも不機嫌でなにかと文句を言ってくる。
ある夜、突然生じたなぞの光(ワームホールか)によって、町の一地区がまるごと先史時代にタイムスリップする。古代植物が生え、住宅街を恐竜が闊歩する。人々は、肉食恐竜に追われ、襲われる。プラット一家の4人も銃や矢で応戦するが、倒すことはままならず、逃げ惑う。いろいろ襲ってくるが、一番狂暴で怖い恐竜はやはりティラノザウルスなのだった。が、ティタノボアという白い大蛇(恐竜ではないらしい)がぬるーと窓から家の中に入ってきて、ぬるーと廊下を通って階段を下りていくシーンはユーモラスで印象深かった(そのまま家を抜けていくだけだったらおかしいと思ったが、ちゃんと襲ってきた)。
恐竜に住人が襲われる様子は残忍な描写もあるが、「プリミティブ・ウォー」とくらべればのほほんとした感じ。
クレイグはピザの宅配のアルバイトをしているが、これが最後に効いてくる展開がよい。
