映画「ツィゴイネルワイゼン」の豆まき

今日は節分。

節分になるたびに、私は、映画「ツィゴイネルワイゼン」の豆まきのシーンを思い出す。
大人の男女が四人(原田芳雄大谷直子藤田敏八大楠道代)、お寺の欄干みたいなとこで、大まじめに豆まきをする。
腐った桃や真っ赤な蟹や盲目の角づけや謎の言葉、奇妙なシーンが次から次へと登場する映画だったが、この、特にこれといった仕掛けのない豆まきのシーンの不思議さは、また格別だった。
「鬼は外! 福は内!」
大正時代の紳士を演じた藤田敏八の声が朗々とよく響いていた。
ほんとに、なんであの人たちはあんなに熱心に豆をまいていたんだろう? と考えてもしかたないのだが、思い出すといまだに不思議な気持ちになる。