フラガール

小学生のころ、月曜日に教室で同級生が、
「おれ、昨日、ハワイに行ったんだぜえ。」
と自慢したら、それは間違いなく「常磐ハワイアンセンター」のことを指していた。
茨城県北部に住む私たちにとって、県境を越えた福島県いわき市にあるハワイアンセンターは、相当身近なもので、個人なり団体なりでみんな一度は行ったことがある娯楽施設だった。

が、あそこで踊っているダンサーたちが、地元の女の子たちだったなんて、考えたこともなかった。

閉山間近の炭坑町で、なんとか地元住人の雇用を創出し、地域活性化をはかろうとする企業側と、長年炭坑で働いて来て山を離れたくない炭坑夫とその家族達との対立。(ダンサー育成担当になって四苦八苦する会社員の岸部一徳がいい味出してます)。
フラダンスの指導のため東京から呼ばれた、元一流ダンサー。
ダンスに夢を託す地元の女の子たち。
まさに笑いと涙の2時間です。

個人的には、ハワイアンのどんどんという太鼓のリズムを聞いただけで、あの湿ったなまあたたかい空気と、温水プールの水のにおいが蘇ってきてひどくなつかしかったです。
今や「スパリゾート・ハワイ」というおしゃれな名称になっていますが、私の中では、リゾートというよりはレジャーセンターという昔のイメージがずっとつきまとってます。