トランスフォーマー

映画「トランスフォーマー」を見た。
予告編を見たときは、いろいろな形状のメカに変幻自在に変身できる無敵の異星人が地球を侵略するという、「宇宙戦争」や「スターシップ・トゥルーパーズ」のような話を勝手に想像していたのだが、ちょっとちがって、巨大ロボがぼかぼか出てきてロボット同士が戦う話だった。その戦いにアメリカの普通の高校生が巻き込まれ、いいもんのロボットと仲良くなったり、国家機関の横暴な捜査官に追われたり、世界存亡の危機に直面したりするところなどは、「E.T.」や「ウォー・ゲーム」を思わせる内容である。
中東の米軍基地がなにものかの襲撃を受け、大統領専用機エアフォースワン内で機密情報が盗まれる。ただならぬ事態に、国防長官のケラー(ジョン・ボイド)は緊急に対策を講じる必要に迫られる。
一方、高校生のサム(シャイア・ラブーフ)は父にねだって黄色いおんぼろのカムリを買ってもらい、車で女の子と仲良くなろうともくろんでいた。が、その車は異星人ロボット、バンブルビーが変身したものだった。なにかと冴えないサムが、セクシーで美人で腕力もありそうな女子学生ミカエラミーガン・フォックス)とともに事件に巻き込まれていく。
サムとミカエラとサムの両親が、大変な状況下で高校生のいる普通の家庭の生活を展開しているのがおかしい。
情報処理専門家のマギー(レイチェル・テイラー)とふとっちょハッカーのグレン(アンソニー・アンダーソン)、中東で襲撃にあったレノックス大尉(ジョシュ・エアメル)とその部下エッブス軍曹(タイリース・ギブソン)など、他の人間たちも地味ながらそれぞれの陣営で持ち味を見せている。
しかし、なんといっても主役はロボットたち。アメリカで公開された日米合作アニメの実写化ということで、巨大ロボアニメファンにとってはたまらないんだろうかと想像するが、そういった分野に乗り損なってしまった身としては、「とんでもない事態に巻き込まれた一般市民が、臨機応変な適応力を発揮して危機を乗り切る」という、昔ながらのアメリカ映画のノリで見ながら、見事なCGによるロボたちの動きを楽しむことになる。
ロボットたちのあまりに人間くさい言動を目にしていると、だんだん昔なじんだ子ども向けの特撮番組が思い出されてきて、大人がひとりで見てるのもなんだかなあと思われてこないでもない。が、機械がカシャカシャと動いてみるみるうちに姿を変えていく様子は、かなり見応えがあり、巨大ロボットたちが人んちの庭で普通にミーティングしてる様子などはユーモラスで愉快だ。

トランスフォーマー スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

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