映画「少林少女」を見る

映画「少林少女」を見に行った。

中国の少林拳武術学校で三千日の修行を終えた桜沢凛(柴咲コウ)は、日本に少林拳を広めるという夢を持って帰国する。が、凛の修行中に死んだ祖父の道場は廃墟と化していた。かつての師匠岩井(江口洋介)は中華料理屋の主人となり、少林拳には興味を示さなかった。途方にくれた凛を、中華料理店で働くミンミンが、自分の所属する大学のラクロス部に誘う。凛は、ラクロスをやりながら、部のメンバーに少林拳を教えることを思いたつ。

ラクロス部がある国際星館大学は、スポーツに力をいれているマンモス大学だった。が、学長の大場雄一郎(仲村トオル)には裏の顔があり、彼は凛の道場の閉鎖にも関わっていたのだった。
主演の柴咲コウがとにかくいい。元気があってきりっとしていて、ポニーテールがよく似合う。少林拳の動きも見ていて気持ちがいい。

中国娘のミンミンを演じたキティ・チャンと中華料理屋店員(実はカンフーを広めるために日本に来ている)の二人組ティン(めがねの方、ティン・カイマン)とラム(太った方、ラム・ジーチョン)もいい。日本人では、教務課事務員(実はカンフーの達人)の岡村が笑いとカンフーでみせてくれる(映画館で私の隣に座っていた小学生の男の子は、岡村が出てくるたんびに笑い転げていてかわいかった)。ラクロス部部員の女の子たちも華やかでにぎやかでよかった。

最強悪を目指す巨大スポーツ大学の学長と、少林拳を日本に広めたい達人の美少女、ラクロスを知らないまま大学側の方針で部に編入させられた女の子たち。とりとめのなさとかみあわなさが、パワーにまで昇華してほしかったところだ。が、チャウ・シンチーの映画「少林サッカー」や「カンフー・ハッッスル」に見られるような大陸的なみもふたもなさはやろうとして得られるものではなく、本広監督作品の場合、洗練されてる分だけそれぞれの要素が上滑りしてしまった気がする。仲村トオルももっとすごい悪役になれたんじゃないかと思えて惜しい。

少林老女 [DVD]

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