映画「カムイ外伝」とカムイの刀の持ち方

カムイ外伝
2009年 日本(松竹)120分
監督:崔洋一、原作:白土三平、脚本:宮藤官九郎崔洋一
出演:カムイ(松山ケンイチ/[少年時代]イ・ハソン)、スガル/お鹿(小雪)、半兵衛(小林薫)、サヤカ(大後寿々花)、水谷軍兵衛(佐藤浩市)、アユ(土屋アンナ)、絵師(PANTA)、吉人(金井勇太)、大頭(イーキン・チェン)、ミクモ(芦名星)、不動(伊藤英明
★ネタばれあり★
17世紀の日本。非人の子として生まれ、生きるために忍びとなったカムイは、自由を求めて忍びを抜け、かつての仲間から追われる身となる。
さすらいの旅を続けるカムイは、ある日、領主の馬の足を切り落として持ち去った男を見かける。男は漁師の半兵衛で、良質の釣り餌を作るための最適な材料として、命がけで馬の蹄を手に入れたのだった。嵐に遭い、漁村に流れついたカムイは、半兵衛一家に救われる。半兵衛の妻お鹿は、やはり抜忍で、幼いころのカムイに会っていた。カムイの正体を見抜いたお鹿はカムイを敵と疑うが、他の家族らはカムイを暖かく迎え、カムイは次第に漁村でのなごやかな生活になじんでいく。
やがて、領主の馬を手にかけた犯人として、半兵衛は城の捕り手たちに捉えられる。カムイとお鹿は半兵衛を助け出し、一家は島に逃れる。島の周りには人喰い鮫がうようよといて島人たちを悩ませていたが、渡衆と呼ばれる海賊のような男たちが島を訪れ、鮫退治を申し出る。
白戸三平の劇画から入る導入部、林の中で追っ手を迎え討つカムイ、半兵衛との出会い、漁村での暮らし、半兵衛の救出と逃亡、渡衆との出会い、カムイに思いを寄せる半兵衛の娘サヤカとの月日貝の約束、そしてラストの悲惨を極める展開と壮絶な対決シーンへと、物語は、おもしろいように進むはずなのだが、いまひとつ気持ちが高ぶらないのは、演出があっさりしすぎているせいか。
主役の松山ケンイチはもちろん(最初からとにかく走る!)、役者陣はいい。豪快で実直な漁師半兵衛役の小林薫、尊大で小心な領主役の佐藤浩市が好演しているが、うれしい驚きは、渡衆の頭領不動を演じる伊藤英明。男前のダークな役がはまっている。
飯綱落とし、変異抜刀霞斬りなど、忍術の呼び名や解説が出てくるのは、昔テレビで見た「サスケ」を思い出させてくれてなつかしかった。
ところで、カムイも不動も刀の持ち方が逆手なのが気になった。原作を読んでなくて忍者のこともよく知らないのだが、忍者は、長い日本刀ではなく、ああいう短めの刀(匕首?)をああいうふうに持つものなのだろうか。

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カムイ外伝-スガルの島- (ビッグコミックススペシャル)

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