映画「ピーターラビット」を見る(感想)

ピーターラビット PETERRABBIT
2018年 アメリカ 95分
監督:ウィル・グラック
原作:ビアトリクス・ポター
出演:ビア(ローズ・バーン)、トーマス・マグレガー(ドーナル・グリーソン)、マグレガーじいさん(サム・ニール)、声の出演:ピーターラビット(ジェームズ・コーデン)、ベンジャミンバニー(コリン・ムーディ)、フロプシー(マーゴット・ロビー)、モプシー(エリザベス・デビット)、コトンテール(デイジー・リドリー

台湾旅行の際に、チャイナエアラインの飛行機の中で見る。
子どもが小さい時にいただいたマグカップや皿やスプーンでイラストを日々目にし、小型の絵本を子どもに読んであげたこともあるので、だいぶ親しみのあるキャラクターである。
絵本の有名な絵と同じショットが出てきて、おお!と思う。
絵本の話の中身は忘れてしまったが、映画の中でうさぎのピーターたちが置かれた状況はなかなかシビアである。ピーターは、両親と三つ子の姉妹と従兄弟のベンジャミンと暮らしていたが、ある日、農園が作られ、住んでいた場所を追われる。農園を営むのはマグレガー老人。ピーターの父は、マグレガーにつかまってパイにされてしまい、母もその後死んでしまう。
ピーターは、畑に忍び込んでは作物を荒らし、偏屈老人のマクレガーといがみあっていた。隣に住む女流画家のビアは、動物好きで、何かとピーターたちをかばってくれる。ある日、畑でピーターたちを追い回していたマクレガーは、突然倒れ、そのまま死んでしまう。
彼の後にやってきたのは、遠い親戚の青年トーマス・マクレガー。彼は、ロンドンの大きなおもちゃメーカーに勤務していたが、人事に不満を抱いて店内で暴れ、首になってしまったのだ。潔癖症で動物嫌いの彼とピーターらは、壮絶なバトルを開始する。
が、一方で、トーマスとビアは恋に落ちていく。ビアの前では動物好きを装うトーマスだったが、ある日、両者の戦いが激化して、ビアの家を壊してしまう。動物嫌いであることがばれてビアの非難を浴びたトーマスは町を去るが、家が壊れたビアまで町を出ていくことに。ビアを引き留めたいピーターは、自分の行き過ぎた行動を反省し、トーマスを呼び戻すため、ベンジャミンとロンドンに向かうのだった。
イギリスの湖水地方の田園風景が美しい。
動物たちは、いわゆるモフモフしていてかわいいのだが、ピーターはやんちゃというよりけっこう乱暴者でジャイアンみたいなやつで、だんだんおじさん面に見えてくる。一度そう思うと、もうおじさんうさぎ(おじさん面の青年うさぎなのだが)にしか思えなくなってきて愉快だ。当初は、自分たちの家と食べ物の確保のためにトーマスと戦っていたのだが、次第にビアと恋仲になっていく彼に嫉妬し、恋敵をやっつけたい一心で、攻撃がエスカレートしてしまう。
ただかわいいだけの動物映画ではなく、厭世的なことを言う鶏が出てきたり、ビアとトーマスの大人の恋愛が描かれたり、愉快でほのぼのしたギャグがある一方、ピリッと辛いのもあって、なかなか楽しい。
ピーターとのんびりした従兄弟のベンジャミン(茶色の毛に茶色のシャツを着たセンスのなさを何回となくけなされるのが可笑しい)のコンビもなかなかよい。

ピーターラビットの絵本  第1集

ピーターラビットの絵本 第1集