映画「シャン・チー テン・リングスの伝説」を見る(感想)

シャン・チー テン・リングスの伝説 SHANG-CHI AND THE LEGEND OF THE TEN RINGS

2021年 アメリカ 132分
監督:デスティン・ダニエル・クレットン
出演:シャン・チー(シム・リウ)、ケイティ(オークワフィナ)、シャーリン(シャン・チーの妹。メンガー・チャン)、イン・リー(シャン・チーの母。ファラ・チェン)、イン・ナン(シャン・チーの叔母。ミシェル・ヨー)、シュー・ウェンウー(シャン・チーの父。トニー・レオン
レーザー・フィスト(フロリアンムンテアヌ)、デス・ディーラー(白塗りの刺客。アンディ・リー)、グアン・ボー(ター・ロー村の老人。弓の使い手。ユン・ワー)、トレバー・スラッタリー(ベン・キングズレー)、モーリス(ター・ロー村の顔のない犬のような生物)、クレヴ(バスの乗客。ザック・チェリー)
ウォン(ベネディクト・ウォン)、アボミネーション(ティム・ロス)、ブルース・バナー/ハルク(マーク・ラファロ)、キャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベルブリー・ラーソン

マーベル・シネマティック・ユニバース第25作で、中華ヒーロー、シャン・チーが登場。マーベルのカラフルで派手なSF仕様とカンフー・アクションが融合して豪快なバトル・アクションとなっている。
青年シャン・チーは、友人のケイティとともに、サンフランシスコでホテルの駐車係をして暮らしていた。が、彼にはケイティの知らない過去があった。彼の父ウェンウーは、伝説の腕輪テン・リングスを操る「世界一危険な男」で、犯罪組織「テン・リングス」を率いていた。シャン・チーは幼いころに母を亡くしてから、厳しい訓練によって中国武術を教え込まれたが、初めて殺人の仕事を命じられた際に父の元から逃れ、身を隠していたのだ。
ある日、彼は、バスの中で母の形見のペンダントを狙う謎の黒革ジャケットの男(レザー・フィスト)らに襲われる。それを機に、彼は封印していた力を呼び覚まし、悪の首領となった父と対決する。
この、サンフランシスコの街を走るバスの中での格闘シーンが迫力満点。バス車内でのシャン・チーとレザー・フィスト一味との派手な乱闘とケイティの無謀運転が重なってめちゃくちゃになっていく。乗客のオタクっぽい男がその様子をスマホで撮影し、動画がネットに流されて、シャン・チーが「バス・ボーイ」として一躍有名になるのも楽しい。
彼は、ケイティとともに、疎遠になっていた妹シャーリンの住むマカオに向かう。シャーリンは、独力で武術を習得し、ナイトクラブ「ゴールデン・ダガー」を経営していた。ここにも父の組織の一味がやってきて、シャン・チーとケイティ、シャーリンを襲う。高層ビルの外に組んだ鉄骨でのアクションもまた見ものである。
後半は、シャン・チーの母の故郷ター・ロー村が舞台となる。そこは「聖なる守護者」に守られた不思議な村だった。叔母のイン・ナンに会ったシャン・チーは、彼女から古い武術を教わる。イン・ナンは、シャン・チーが構える拳を開いて掌(ジャン)の手型に変える。円運動を駆使するその拳法は、太極拳っぽく見える。
最後は、村の戦士たちと「テン・リングス」軍団との戦い、シャン・チーとウェンウーの宿命の親子の対決とともに、村の守護者の龍とウェンウーを惑わす魔物も出てきて特撮怪獣バトルの様相も呈す。
ウェンリーを演じるトニー・レオン、母役のファラ・チェン、伯母のミシェル・ヨーら、主役の親世代の人たちが熟成している感じでよい。彼らにくらべると、主演のシャン・チーとケイティはさほど美男美女とは言えないと思うのだが、好感が持ててギャグが上滑りしている感じも含めていい味を出している。
場面のところどころにマーベルでお馴染みの顔が出てくるらしい。ファンにはピンとくるのだろうが、あまり詳しくないのでよくわからなかったが、ラストに出てくる男女はブルース・バナーとキャロル・ダンヴァースというらしい(後で検索して知った)。
エンディングは二段構えになっているので、最後まで席を立たないように。

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