うざっ <形容詞の語幹+「っ」の用法>

「うざい」はだいぶ前から言われているが、語幹に促音の「っ」をつけて使われるようになったのは、おそらく何年か前からだと思う。
「はやっ」「きもっ」「さむっ」などと、いくらでも使える。
語幹だけなので、活用を考えなくていいし、とにかく楽。
なんて横着な物言いと思いつつ、すぐに流される私は、子どもたちをたしなめるどころか、いっしょになって使ってしまい、すでにだいぶ身についてしまっている。
なんでも略せばいいってもんじゃないんだろうが、日本語って、昔から略してばかりという気がする。4文字の漢字を2文字にするのはよくあるが、省略といえば古文。主語や述語や目的語の省略は日常茶飯事で、そのせいで意味がとれず、古文を読むのは今でも苦手だ。
で、以前某通信学習講座で国語科コースの添削指導員をしていたとき、古文の問題に、やはり、形容詞の語幹だけの用法が出てきたことがあったのを思い出した。
「あな」+形容詞の語幹の用法。
「あなかしこ」(ああ、畏れ多い)、「あなかま」(ああ、うるさい)等と、例が挙げられていた中に、「あなう」というのがあった。
「う」は、「憂し」の語幹。「ああ、つらい」と訳されていたように思うが、これってつまり「うざっ!」ってことだよね。