スパイダーマン3

<ネタバレあります!>

シリーズ3作目。街の英雄としてニューヨークに定着したスパイダーマン。ピーターは、恋人MJにプロポーズをする決心をしていたが、MJはブロードウェイで歌手デビューを果たしたものの評論家の酷評を受けて落ち込んでいた。心のずれが生じていく二人の恋の行方と、スパイダーマンの前に現れる三人の敵の話が交錯する。
ピーターのかつての親友ハリーは、ニュー・ゴブリンとして武装を固め、父の仇討ちのためピーターの命を奪おうとしていた。また、ピーターの叔父を殺害した犯人マルコは病気の娘を思って脱獄し、科学研究所の実験に巻き込まれて砂人間(サンドマン)になってしまう。マルコの存在を知り復讐心を抱くピーターに、謎の宇宙寄生生物が取り憑く。宿主の悪の部分を増幅していく習性を持つこの生物は、ピーターの仕事のライバル、エディにも取り憑き、彼をヴェノムという怪人に変えていく。ピーターは、MJとの恋に悩み、親友から向けられる憎悪に苦しみ、叔父の復讐に駆られて悪に蝕まれていく。
戦闘の負傷により一時的に記憶を失ったハリーは、憎しみを忘れピーターに対して久々に笑顔を見せる。観ているこっちもきゅんとくるが、しかし、すぐにその状況に甘んじてハリーとじゃれあってしまうピーターは迂闊だ。クレーン事故で救出した美女グウェンと公の場でキスしてMJを怒らせるスパイダーマンも迂闊だ。
1作目でかなり迂闊だったピーターは、2作目での苦悩によりだいぶ成長したかに見えたが、今回はこうして再び若干ふがいない部分をみせる。人の良いピーターが絵に描いたように悪に染まっていく様子はなかなかおかしい。しかし悪の時の方が髪型かっこいいし隙がないし決断力あるしと思っていると、黒い蔦状の寄生生物を身体から引きはがしたピーターが、ちゃんとヒーローの顔になっているのでうれしい。
クモの糸を駆使しての空中戦はやっぱり見応えがある。危ない場面で飛んでくるというヒーロー登場のシーンは、わかっていてもわくわくする。
メイおばさん、ジェイムソン編集長、アパートの大家とその娘ウルスラなど、前回に引き続き脇役もまたいい味を出している。