映画「サブウェイ123 激突」を見た

サブウェイ123 激突
THE TAKING OF PELHAM 1 2 3
2009年 アメリカ 105分
監督:トニー・スコット
原作:ジョン・ゴーティ
出演:ガーバー(デンゼル・ワシントン)、ライダー(ジョン・トラボルタ)、カモネッティ警部補(ジョン・タトゥーロ)、ジョンソン(ガーバーの上司/マイケル・リスポリ)、ニューヨーク市長(ジェームズ・ガンドルフィーニ)、レイモス(ルイス・ガスマン)、ジオ(アレックス・カルズフスキー)
1974年の「サブウェイ・パニック」を再映画化。
ニューヨークの地下鉄をハイジャックした犯人一味と、彼らの交渉役となった地下鉄会社職員との駆け引きを描く。
ニューヨークの地下鉄会社指令室。勤務中のガーバーは、ペラム駅1時23分発の車両が線路上で緊急停車したのを発見、同車からの無線に応答する。同車は、ライダーと名乗る男が率いる一味にハイジャックされ、運転手と乗客が人質にとられていた。ライダーは、市長に身代金を支払うよう命じる。現場に駆けつけた市警のカモネッティ警部がガーバーに替わると、ライダーは怒って人質を射殺し、ガーバーに戻すよう要求してくる。
ガーバーは、素人とは思えない冷静さと臨機応変な対応力でライダーとの交渉を続けていく。トラボルタは、悪役をやるときのトラボルタのよさをいかんなく発揮。対するワシントンは、押し出しがよすぎて、この人に任せとけば大丈夫と思ってしまうので、いかんせん、あんまりはらはらしない。ガーバーは、実は管理職についていたのだが、収賄疑惑で降格され、現場で指令係をしていたのだった。それもあって、一介の地下鉄会社職員がとんでもない立場に追い込まれて、さあ大変!という感じではないのだ。
が、疑惑を内部監査によって調査されている最中のガーバーに、ライダーが告白を迫るシーンは、緊迫する。真実を言わなければ人質を殺すと脅すライダーによって、ガーバーは、無理矢理告白せざるを得ない状況に追い込まれていくのである。(ガーバーが実際に収賄に関わっていたか否かは曖昧なままだ。これを明確に示した方が観客は迷わなくてすむと思うのだが。)
ザッシュと止まる画面、めまぐるしく動くカメラは、この監督の常で、個人的にはいつまでたってもなじめない。しかし、やはりワシントンとトラボルタのやりとりは見応えがあるので、そうした居心地の悪さを忘れさせてくれる。
ライダー以外の一味のメンバーや乗客など、脇役はあまり目立たないが、最初はいやな奴にみえたカモネッティ警部と、本気で市政に取り組んでいるんだかなんだかよくわからなかった市長が、事件に関わるうちにだんだんといい面を見せてくるのはよかった。
身代金輸送を急ぐあまり大事故を起こすパトカーの暴走ぶりが、脇の部分でやけにすごい。