映画「96時間」を見た

96時間 Taken
監督:ピエール・モレル
製作:リュック・ベッソン
脚本:リュック・ベッソン、ロバート・マーク・ケイメン
出演:ブライアン・ミルズ(リーアム・ニーソン)、キム(マギー・グレイス)、サム(リーランド・オーサー)、ケイシー(ジョン・グライス)、バーニー(デヴィッド・ウォーショフスキー)、シーラ(ホリー・ヴァランス)、レノーア(ファムケ・ヤンセン)、スチュアート(ザンダー・バークレイ)、アマンダ(ケイティ・キャシディ)、ジャン=クロード(オリヴィエ・ラブルダン)、バトリス・サンクレア(ジェラール・ワトキンス)、ピーター(ニコラス・ジロー)、マルコ(Arben Bajraktaraj 発音不明)

元CIA秘密工作員が、娘を連れ去った人身売買組織を追ってパリの町を縦横無尽に疾走する痛快アクション。年頃の娘を持つ父親にとっては夢のような映画なのではないだろうか。
CIAを辞め、カリフォルニアで一人で暮らすブライアンは、17才の娘キムをなにかと気にかけていた。キムは、別れた妻レノーアとその再婚相手である実業家のスチュアートと暮らしていて、ブライアンは陰ながらキムを見守るという立場にあった。
ある日、友人と二人でパリ旅行に出かけたキムが、滞在先のホテルで何者かに誘拐される。
事件は、パリのホテルの部屋でブライアンがキムと携帯電話で通話している最中に起こる。犯人が部屋に侵入し、連れ去られるまでの一部始終をブライアンは受話器越しに耳にする。彼は、とっさに状況を判断し、録音機器をセットし、助けを求めて泣き叫ぶ最愛の娘に向かって、「これからお前は誘拐される。観察して伝えろ。」などと冷静に指示を与える。ブライアンは、ただちにパリに飛び、CIA工作員として身につけた特殊技能を駆使して犯人たちを追い始めるのだが、事件発生からブライアンが現場を訪れて検証をするまでの展開は、実にタイトにスピーディに描かれ、その迫力に圧倒される。
ブライアンが、とにかく強い。犯人を見つけ出す手だて、犯人のところに乗り込む手だてに抜かりはなく、格闘技と射撃の腕もたしかである。たったひとりで、アルバニア人の人身売買組織を打ち砕き、闇のオークションを仕切る影の大物までたどりついてしまう。
いまやフランス政府の高級官僚となっているかつての仲間ジャン=クロードに無茶をするなと言われて、「必要とあればエッフェル塔だって破壊してやる。」と豪語するが、「こいつならやりかねん」というより「こいつならきっとやる」と思わせる。悪人たちをひどい目に遭わせるのは当然の報いとして、「え、この人まで?」というような人まで撃っちゃう(かすり傷ではあるが)めちゃくちゃぶり。暴走する人相の悪い親ばかな親父、というリーアム・ニーソンならではの絶妙な役どころだ。

関連作の感想はこちら
「96時間 リベンジ」
http://d.hatena.ne.jp/michi-rh/20130119
「96時間 レクイエム」
http://d.hatena.ne.jp/michi-rh/20150128/1422410837