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ターミネーター Terminator Salvation
2009年 アメリカ 114分
監督;マックG
出演:ジョン・コナー(クリスチャン・ベイル)、マーカス・ライト(サム・ワーシントン)、カイル・リース(アントン・イェルチン)、スター(ジェイダグレイス)、ブレア・ウィリアムス(ムーン・ブラッドグッド)、バーンズ(コモン)、ケイト・コナー(ブライス・ダラス・ハワード)、ヴァージニア(ジェーン・アレクサンダー)、セレナ・コーガン博士(ヘレナ・ボナム=カーター)、アッシュダウン将軍(マイケル・アイアンサンド)
(★ネタばれあります!)
2003年、殺人を犯した死刑囚のマーカス・ライトはセレナ・コーガン博士の説得でサイバーダイン社と契約を交わし、死後の献体に同意する。
2018年、彼は再び目覚める。荒廃した世界と突然の機械の襲撃に戸惑う彼は、カイル・リースという名の少年とその仲間である少女スターに助けられ、人類滅亡をもくろむ機械軍スカイネットが、核戦争を引き起こしたことを知らされる。
人類の抵抗軍ジョン・コナーのラジオでの呼びかけを聞いたカイルらは、合流するため自動車で抵抗軍の基地に向かうが、途中敵の襲撃を受け、カイルとスターは捕虜となって機械軍に連れ去られてしまう。残されたマーカスは、戦闘機から脱出した抵抗軍の女性パイロット、ブレアと出会い、彼女の案内でジョン・コナーのいる抵抗軍基地に向かう。
が、地雷を踏んで負傷し、治療の際に、その身体の殆どの部分が機械であることが露見する。マーカスは、自分は人間だと主張するが、コナーは、かつて刺客として差し向けられたターミネーターがまたも自分を殺しにきたと思いこみ、彼を拘束する。
ブレアの手によって逃れたマーカスは、コナーにカイルの救出を申し出る。コナーは、「自分の心に従え」というサラの言葉を思いだし、決断を下す。
話はほぼマーカスを中心に進む。強力な殺人機械ターミネーターの最初の一体である彼は、クールでいて実はやさしく、機械の身体に苦悩しながらもカイル救出のために独自の立場を利用しようとする柔軟さを持つなど、魅力ある人物となっている。ブレアとの恋の描き方も適度に抑制が効いていてよい。カイル少年と口がきけない少女スターの子どもコンビは元気で気が利いていて、かわいい。コナーは、これからいよいよ男になるかという感じである。
ジョン・コナーとカイル少年が初めて顔を合わせる出会いの場面は、事情を知っていると感慨深い。ジョンは、これがおれの親父かという思いで少年を見つめているのだろうし、少年はそうとは知らずに、あこがれの英雄を見る熱い眼差しで自分の息子を見つめるのである。
1作目から3作目までは、未来からやってきた機械が現代の人間をめぐって現代で戦う時間SFアクションだったが、本作は近未来SF戦争アクションとなり、ターミネーターの強さよりも、スカイネットのおぞましい機械兵器とそれに対抗する人類軍の戦いぶりが語られる。CGを駆使した戦闘や襲撃のシーンは、迫力があって見応えがある。蛇に似た小型の機械は、「エイリアン」を思わせる。金属製の階段を上るターミネーターのむき出しの足など、これまでの作品を思い出させる細部や台詞がそこここに見られ、戦いはまだまだこれからという終わり方も、1作目に通じる。

<これまでの経緯>ネタバレあります!
(※テレビシリーズの「ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ」は見ていないので除外)
☆人類滅亡を図り、1997年に核戦争を引き起こした機械軍スカイネットは、2029年、人類軍のリーダー、ジョンを亡き者にするため、その母親のサラを殺そうと1984年に刺客のターミネーター(T-800型つまりシュワルツェネッガー・タイプ)を放つ。その刺客を追っていった人類軍の兵士カイルは、1984年でサラと結ばれジョンの父親となる。カイルは刺客に殺され、サラはジョンを生む。
☆2029年のスカイネットは、1994年にもT-1000型ターミネーターを送り込んでサラとジョンを殺そうとする。が、2029年のジョンが1994年のジョンを守る指令をインプットしたT-800型ターミネーターを放ち、1994年のジョンとサラは彼に救われる。ここで1997年に訪れたはずの「審判の日」は回避されたかのように思えた。
☆2004年、サラは死に、ジョンが20歳くらいのとき、2032年のスカイネットはTX型ターミネーターを送り込み、人類軍はT-850型(T-800型の改良型でやはりシュワルツェネッガー・タイプ)ターミネーターを送ってジョンを守らせたのでジョンは助かる。が、「審判の日」は結局延期されただけで回避できず、核爆弾は発射されてしまうのだった。
☆そして、2018年。抵抗軍の隊長ジョン・コナーはすでに34歳くらいだが、そのとき彼の父親カイル・リースはティーンエイジャーで、機械軍は、今度は、ジョンの父親となるカイルをリアルタイムで殺そうとし、ジョンは、自分よりずっと年下の父親カイルを救出しようとする。
☆つまり、機械軍スカイネットは、ジョン・コナーを抹殺するために、彼を生む前の母親サラ、子ども時代の本人、20歳くらいのときの本人、10代のときの父親カイルを殺害しようとするが、ことごとく失敗したということになる。

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