映画「96時間 レクイエム」を見る

96時間 レクイエム  Taken3
2014年 フランス109分
監督:オリヴィエ・メガトン
製作・脚本:リュック・ベッソン
出演:ブライアン・ミルズ(リーアム・ニーソン)、レノーア(ファムケ・ヤンセン)、キム(マギー・グレイス)、スチュアート・セントジョン(ダグレイ・スコット)、サム(リーランド・オーサ)、ケイシー(ジョン・グライス)、バーニー(デヴィッド・ウォーショフスキー)、フランク・ドッツラー刑事(フォレスト・ウィテカー)、オレグ・マランコフ(サム・スプルエル)
★ちょっとネタバレあり!
シリーズ3作。ずっとブライアンの片思いのように見えていた元妻レノーアとの関係がせっかくいい感じになってきたと思ったら、彼女は何者かによって殺されてしまい、ブライアンは容疑者として追われる羽目に陥る。2作目から既に“96時間”は関係なくなっていたが、今回は原題の“TAKEN”(誘拐、拉致)も関係なく、設定は歴然と「逃亡者」である。追って来る刑事が、有能な奴で途中でひょっとしてブライアンは犯人ではないかもと思い始めるあたりも「逃亡者」っぽい。(フォレスト・ウィティカーは、「フォーン・ブース」でも似たような刑事役を演っていた。)CIA時代の仲間が手を貸し、独りになった娘キムを気にかけるあたりが、「96時間」シリーズであり、「逃亡者」とちょっと違うだろうか。
無敵の父は健在である。ロシア人マランコフという悪役の後ろに隠れていた犯人は、この人がここまで悪いことをするのかと、情容赦のない人物設定にちょっと気の毒な思いすらしたのだが、ブライアンという男を知っているがゆえに彼ならこうするだろうという予想のもとで計画を立て、まんまと彼が暴走するのは、「96時間」らしいと思った。
警察の追跡から必死で逃れる身でありながら、キムに会うため女子トイレで待ちうけているなんて、ブライアンの本領発揮、一人で母の死の悲しみに耐えてきた娘と逃亡中の父が抱き合って泣くところはいい。しかもその後、「妊娠したかもしれない」という若気の至りの相談を切りだす娘とそれになんと応えていいのかわからず戸惑うお父さんという展開、この状況でそれかよという感じが、よかった。

関連作の感想はこちら
「96時間」
http://d.hatena.ne.jp/michi-rh/20090910/1252582167
「96時間 リベンジ」
http://d.hatena.ne.jp/michi-rh/20130119/1358593458