映画「96時間リベンジ」を見る

96時間リベンジ TAKEN 2
2012年 フランス 92分
監督:オリヴィエ・メガトン
製作:リュック・ベンソン
出演:ブライアン・ミルズ(リーアム・ニーソン)、キム(マギー・グレイス)、レノーア(ファムケ・ヤンセン)、ムラド(ラデ・シェルベッジア)、サム(リーランド・オーサー)、ケイシー(ジョン・グライス)、バーニー(D・B・スウィーニー)、ジェイミー(ルーク・グライムス)

誘拐された娘を救出するため、元凄腕秘密工作員のブライアン・ミルズがひたすら犯人一味を追い詰めてやっつけまくった痛快アクションの続編。1作目ほどの猪突猛進ぶりは見られないが、第2弾としての工夫がいろいろ施されていて楽しかった。
映画はアルバニアの山の斜面にある墓地から始まる。何人もの死者が埋葬されるが、彼らは、前回ブライアンに殺された人身売買チームの面々である。家族たちがその死を悼む。愛する息子を殺された父親のムラドは復讐を誓う。前作を見ていない人が目にしたら、ブライアンはどんだけ悪い奴なんだと見紛うばかりの悲しい葬儀のシーンである。以前、マイク・マイヤーズのパロディ・スパイ映画「オースティン・パワーズ」(1997年)でヒーローにばたばたとやっつけられる手下たちの死を近親者たちが延々と悼むというギャグがあったが、ついそれを思い出してしまった。シニカルな出だしである。
1作目では、パリのホテルの部屋から誘拐犯に襲われつつある娘のキムがロサンジェルスにいるブライアンに電話で助けを求める。ブライアンは、冷静に状況を判断し、キムに「おまえはこれから拉致される」と宣告し、キムからできる限りの情報を引き出し、できる限りのアドバイスをしたのだった。
今回は、イスタンブールを旅行するブライアンと元妻のレノーアとキムが復讐をもくろむ敵に狙われる。ブライアンとレノーアがバザールで敵の襲撃に遭う。ブライアンは、ホテルに一人残っているキムに電話して「パパとママはこれから拉致される」と告げる。そして、やはり冷静にキムに大使館へ行けと指示するが、キムは果敢にも救出の手助けを申し出るのだった。

拉致されたのちも、ブライアンはキムと連絡をとり、てきぱきと指示を与える。最初は戸惑い怯えていたキムも、やがて手榴弾を投げるのにためらわなくなり、運転免許取得中にも関わらず派手なカーチェイスをやってのける。
大暴れして車ごとアメリカ大使館に突っ込んでおきながら、友人のサムへの電話一本で放免となる安易さもまた持ち味だなと思った。


関連作「96時間」の感想はこちら
http://d.hatena.ne.jp/michi-rh/20090910/1252582167
「96時間レクイエム」
http://d.hatena.ne.jp/michi-rh/20150128/1422410837