「名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)」を見る

名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ) Private Eye in the Distant Sea
2013年 日本(公開東宝) 110分
監督: 静野孔文
原作: 青山剛昌 脚本: 櫻井武晴
声の出演:江戸川コナン高山みなみ)/工藤新一(山口勝平)、毛利蘭(山崎和佳奈)、毛利小五郎小山力也)、灰原哀林原めぐみ)、阿笠博士緒方賢一)、吉田歩美(岩居由希子)、小島元太(高木渉)、円谷光彦(大谷育江)、鈴木園子(松井菜桜子)、目暮警部(茶風林)、佐藤刑事(湯屋敦子)、高木刑事(高木渉)、服部平次堀川りょう)、遠山和葉宮村優子)、
綾小路文麿(置鮎龍太郎京都府警警部)、車折刑事(沢木郁也京都府警捜査一課)、服部平蔵(小山武宏大阪府警本部長。警視監。平次の父)、遠山銀司郎(小川真司大阪府警刑事部部長。警視長。和葉の父。)、大滝悟郎(若本規夫大阪府警捜査一課強行犯捜査係警部。)
<ゲスト>藤井七海(柴咲コウ海上自衛隊一等海佐イージス艦「ほたか」臨時乗り組み)、立石由紀夫(廣田行生イージス艦「ほたか」艦長。海上自衛隊一等海佐)、副館長(梅津秀行)、関口誠(成田剣イージス艦「ほたか」警務官。海上自衛隊一等海尉。)、岸大和(津久井教生イージス艦「ほたか」CIC通信士。海上自衛隊二等海尉。)、井上文忠(幸野善之イージス艦「ほたか」航海長。海上自衛隊三等海佐。)、佐久間重吾(麻生敬太郎。イージス艦「ほたか」戦術行動士官。海上自衛隊三等海佐。)、笹浦 洋介(水内清光。若狭地方隊情報官。海上自衛隊一等海尉。)、倉田正明(松風雅也海上保安庁・若狭海上保安部警備課所属。)、竹川(宗矢樹頼。日本国内潜入中の某国工作員。)、雨宮勇気(三田ゆう子)、勇気の父(黒田崇矢


★多少のネタばれあり★
劇場版シリーズ第17弾。海上自衛隊の全面協力の下、イージス艦を舞台に、コナンらが自衛官殺人事件と艦内に潜入した某国スパイの捜査に挑む。時事的な影響か、国防や愛国のイメージが伴うが、イージス艦の細部が見られるのはうれしい。
コナンと仲間たちは、海上自衛隊による体験航海に参加することになった。イージス艦に乗船した一行は、京都の舞鶴港を出港し、艦内で見学を楽しんでいた。
公開訓練の途中に、正体不明の物体が艦に接近し緊迫するが、難破した外国船の一部であることが判明し、ことなきを得る。その間、コナンは事態を見抜いていたが、案内役の井上航海長はあくまでも訓練を装い、一般の見物客はデモンストレーションの一部と信じるのだった。
その後、艦の吸水口で人の左腕が発見される。袖の階級章から行方不明の笹浦一等海尉のものであると推測され、やがて、左腕を失った笹浦の水死体が若狭湾に漂着する。
警視庁捜査一課の面々がヘリで駆け付け、海上保安庁も加わっての艦内捜査となる。乗船予定のなかった笹浦の携帯電話が甲板で発見され、艦内で殺人事件が起こった可能性が出てくる。自衛隊幹部は、当初情報提供を拒んでいたが、やがて、艦内に潜入していると思われる某国スパイ「X」の探索中であるという極秘事項を明かす。臨時乗船していた女性自衛官の藤井七海一等海佐は、防衛大臣直轄の情報保全隊員だった。笹浦は、Xに殺されたかもしれないのだ。
一方、陸では、日本国内で活動しXと連携していた某国工作員竹川が国外脱出を図る。コナンは大阪の平次に竹川の捜索を依頼する。コナンの腕時計型通信機には、新たに衛星通信機能が加わり、コナンは艦上から本土にいる阿笠博士や平次たちに連絡を取ることができるのだ。
イージス艦上では、海上自衛隊海上保安庁、警視庁の面々が一丸となってXの捜索に乗り出し、陸では、阿笠博士と哀がコナンに情報を提供し、平次と和葉、京都府警と大阪府警が、竹川を追う。
連携プレイにより、海上と陸とで同時進行する捜索は、なかなか見応えがある。
Xを捕えるときに、例によってコナンがサッカーボールを蹴るのだが、このとき、イージス艦の構造物を利用し、ビリヤードのようにボールを当てる角度を計算して、段階を経て最終的にXにボールを命中させるのがいい。
竹川とXが確保され、殺人犯が判明した後に、もう一つの危機が控えている。閉鎖された甲板で蘭はXと遭遇、格闘の末、大変な事態に陥る。ポイントとなる名刺と電波時計の伏線は、不自然なまでに露骨で、いっそ微笑ましい。