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バトルシップ BATTLESHIP
2012年 アメリカ 130分
監督:ピーター・バーグ
出演:アレックス・ホッパー大尉(テイラー・キッチュ)、ナガタ一等海佐浅野忠信)、レイクス(リアーナ)、ストーン・ホッパー中佐(アレキサンダー・スカルスガルド)、シェーン提督(リーアム・ニーソン)、ビースト(ジョン・ツイ)、オーディ(ジェシー・プレモンズ)、サマンサ・シェーン(ブルックリン・デッカー)、ミック・キャナルズ退役中佐(グレゴリー・D・ガドソン)、キャル・ザバタ(ハミッシュ・リンクレイター)
★ねたばれあり!!★
自堕落な生活を送っていた若者アレックスは、兄ストーンのすすめで海軍に入隊する。ハワイ沖で大規模な軍事演習(環太平洋合同演習RIMPAC)が行われることになり、世界各国から軍艦が集結する。大尉となったアレックスも演習に加わるが、日本の将校ナガタが気に入らず、騒動を起こして、恋人サマンサの父シェーン提督の不興を買うなど、海軍でもトラブルメーカーぶりを見せている。
演習中、ハワイ沖に謎の物体が現れる。それは宇宙から飛来した巨大な宇宙船だった。異星人との交信を目的としたビーコンプロジェクトによって地球から発信された電波に応じるようにやってきた彼らはしかし、強力な兵器で地球を攻撃し始める。
母星と通信をするため、ビーコンプロジェクトの通信装置をねらうエイリアンたちは、巨大なドーム型バリケートを張ってハワイ諸島を封鎖する。バリケード内には、アレックスの乗る駆逐艦JPJと、ナガタが率いるみょうこう、ストーンが艦長を務めるサンプソンの3隻のみが残される。敵の攻撃を受け、サンプソンとみょうこうは大破される。指揮官を失ったJPJで臨時の艦長となったアレックスは、ナガタとともに、得体の知れない巨大な敵に立ち向かう。
エイリアンの攻撃が始まってからは、戦闘に次ぐ戦闘の派手な海戦映画となる。バリケード内で孤立したアレックスらが、強すぎる敵といかにして戦うか。犬猿の仲だったアレックスとナガタがいかにして手を組むか。「やればできる子なのに」と言われ続けただめ若者のアレックスが、能力を発揮していくという展開は定番だが、彼がよんどころない状況へ持ち込まれていく様子が無駄なくてきぱきと描かれ、気持ちが良い。
CGを駆使した宇宙船の造形や戦闘シーンは迫力があるが、ハイテクの対極をいく、ブイを利用しての襲撃や、記念艦となって真珠湾に設置されていた戦艦ミズーリを復活させての最後の襲撃など、アナログな戦法を駆使するあたりが、なんとも心憎い。初めの方で、演習の開会式に招かれていた退役軍人である老人たちが、ミズーリの艦橋に鈴なりに立っているあたりから、ぞくぞくしてきた。軍艦のことはほとんど知らないが、ボイラーを炊いて発進するマイティ・モーこと戦艦ミズーリの雄姿を見て、胸が熱くなってしまった。(「ミズーリ」は、太平洋戦争での日本の降伏調印式場となった軍艦。映画にあるように、実際に1999年からハワイ州パールハーバーで記念艦として保存されているという。ウィキペディアより)
浅野忠信は、冷静で有能な自衛官ナガタを演じてかっこいい。小柄で口達者できびきび動く女兵士レイクスもよかった。地上でエイリアンの通信基地占拠を阻止しようと動くサマンサと傷痍軍人ミックとへっぽこ科学者キャルもそれぞれにいいところを見せてくれる。
SF的には、最初に正体不明の巨大宇宙船に遭遇するところで、どきどきした。

セリフ:「いやな予感がする。」 
アレックスは、巨大な敵との戦いを控え、波に揺れる艦上に立ち、二度このセリフを繰り返す。これは、「スター・ウォーズ」シリーズの各作品で、必ず誰かが一度は口にするセリフとして有名で、ファンの心を刺激している模様。