映画ボーン・シリーズ最新作「ジェイソン・ボーン」を見る(感想)

ジェイソン・ボーン Jason Bourne
2016年 アメリカ 123分
監督:ポール:グリーングラス
出演:ジェイソン・ボーン(マット・ディモン)、ニッキー・パーソンズジュリア・スタイルズ)、ヘザー・リー(CIAエージェント。アリシア・ヴィカンダー)、アセット(暗殺者。ヴァンサン・カッセル)、デューイ(CIA長官。トミー・リー・ジョーンズ)、クレイグ・ジェファース(CIAエージェント。アトー・エッサンドー)、アーロン・カルーア(ディープドリームCEO。リズ・アーメッド)、ボウマン(スティーブン・クンケン)、マルコム・スミス(ビル・キャンプ)、クリスチャン・ディソルト(ヴィンツェンツ・キーファー)

ボーン・シリーズ新作。
記憶を失った凄腕エージェントのジェイソン・ボーンは、「アルティメイタム」以後、ストリートファイトなどでガス抜きをして(お金に困ってはいないだろうから、あれはたぶん、そういうことだと思う)、地味に暮らしていた。
ニッキは、ディソルトというハッカーのグループに関わっていたが、CIAの機密に接触し、「トラッドストーン計画」の隠された事実とともに、アイアンハンドという名の計画の存在を知り、ボーンに連絡してくる。ボーンは、父の死に絡む真実と、CIA長官デューイによって進められている新たな計画のことを知らされ、またもやCIAと対決する。

デモ隊と警官隊の衝突で大混乱するアテネ市街で、ボーンはニッキと再会する。
暴動の中、CIAの監視網からバイクで逃走を図るも、暗殺者アセットによってニッキが銃撃されてしまう。
このシーンのアクションは、とにかく迫力はあるが、手持ちカメラに気合が入りすぎて、画面がめまぐるしく動き、目と脳がついていけず、途中何がどうなっているのかわからなくなった。

ニッキから情報を得たボーンは、やはりCIAの監視の中、ベルリンで父の死の謎を知る元CIAの男と接触したり、アメリカに渡ってワシントンでも監視網をかいくぐって新鋭のCIAエージェント、ヘザー・リーの乗るバンの助手席に出没してみせたりする。

そしてラストはラスベガス。
デューイは、SNSの会社ディープドリーム社の若きCEOカルーアにアイアンハンド計画の話を持ち掛け、両者は協力していたのだが、それが個人のプライバシーを侵害するものであることを知ったカルーアは離脱を図り、ラスベガスで開催されるシンポジウムで計画の秘密を暴露しようとする。
また、デューイのやり方に反対するヘザー・リーは、密かにボーンに情報を提供するなど協力する姿勢を見せる。
しかし、デューイは彼らの裏切りを察知し、アセットにカルーアとヘザー・リーの狙撃を命じる。
混乱するシンポジウム会場から、ホテルの部屋でのボーンとデューイの対決へ。
そして、逃げるアセットと追うボーンの壮絶なカーチェイスが展開する。

ボーンは変装しない。
ボーンは歩く。
という2大原則は健在。
CIAによる大げさな包囲網の中、すたすた歩いてターゲットに接触し、すたすた歩いて脱出する。というのが、ボーン・シリーズのみどころだと思うのだが、今回はほぼそれだけに焦点を当て、それに徹したというべきか。
冒頭のアテネの大暴動というシチュエーションや、ラストのド派手なカーチェイスは10年ぶりの続編公開記念大サービスという感じで盛り上がったが、私としては、あのすたすた歩きが堪能できればしあわせなのだった。

<関連作品>
ボーン・アイデンティティー(2002)、ボーン・スプレマシー(2004)、ボーン・アルティメイタム(2007)、ボーン・レガシー(2012年)