映画「蠱毒 ミートボールマシン」を見る(感想)

蠱毒 ミートボールマシン
2017年 日本  100分
監督:西村喜廣
出演:野田勇次(田中要次)、三田カヲル(百合沙)、マミ(鳥居みゆき。ぼったくりバーの女。)、田ノ上(川瀬陽太。取り立て会社の社長)、長谷(村杉蝉之介。古本屋店長。)、酒井(三元雅芸。バイク野郎)、警官隊(島津健太郎、山中アラタ、屋敷紘子、栄島智、)、白線女(しいなえいひ)、CMの宇宙人(斉藤工

田中要次初主演映画ということで見に行く。
宇宙人地球侵略ものバイオレンス・スプラッタ・どたばたコメディSFという感じかしら。
蠱毒」とは、古代中国において行われた虫を使った呪術らしい。ウィキペディアによると、蛇、百足、蛙、ゲジゲジなど複数の生き物を器にいれて共食いをさせ、生き残ったものが神霊となり、その毒を恨む相手に飲ませると死に至るという。
本作では、宇宙人によってある町の一部がフラスコ状の空間に閉じ込められ、中にいた人間は謎の寄生生物にとりつかれて次々に内蔵っぽいデザインと色をした異形の戦闘マシン(「ネクロボーグ」というらしい)と化し、殺し合いを始める。首や腕や内臓が飛び、血の雨が降りまくる。
田中要次演じる野田勇次は借金の取り立て屋だが、気がやさしすぎて仕事ができず、社長に怒鳴られてばかりの日々を過ごしていた。そんな彼もネクロボーグと化すのだが、取り立て対象者の一人である美女カヲルに心惹かれていた彼は人としての魂を失うことなく、カヲルの救出に向かうのだった。
前半は勇次の切ない日常と宇宙人たちによって進められる侵略の様子が描かれ、後半は、ネクロボーグたちによる殺戮とカヲルを追う勇次の戦いが、騒々しく漫然と続く。
映画の中盤、ネクロボーグ化し始めた人々に勇次も観客も戸惑うが、物陰からネクロボーグの戦いの様子を見た勇次が、「怪物同士で殺し合うのか」とか「得意な道具を殺しの武器に使えるのか」とかいろいろ説明してくれるので助かった。
勇次はだんだんヒーローらしくなっていき、演じる田中の容貌もあってシュワルツェネッガーっぽく、かっこいいカットがあった。
ネクロボーグに立ち向かう武道家警官チームがなかなかよかった。
関連映画:「MEATBALL MACHINE -ミートボールマシン-」(2005年。監督:山口雄大山本淳一、主演:高橋一生)
「ミートボールマシン」(1999年。監督:山本淳一、出演:渡辺稔久)