「K−20 怪人二十面相・伝」を見る
2008年 ロボット・日本テレビ(公開東宝) 137分
脚本・監督:佐藤嗣麻子、アクション監督:横山誠、小池達朗
原作:北村想「怪人二十面相・伝」
出演:遠藤平吉(金城武)、羽柴葉子(松たか子)、明智小五郎(仲村トオル)、源治(國村隼)、菊子(高島礼子)、小林芳雄(本郷奏多)、浪越警部(益岡徹)、しんすけ(今井悠貴)、カストリ雑誌編集者(鹿賀丈史)、羽柴(大滝秀治)、南部先生(小日向文世)、仕立屋(嶋田久作)、囚人(松重豊)
第二次世界大戦を回避した1949年の日本の帝都。華族が富を貪る極端な格差社会では、多くの庶民が貧困に苦しんでいた。そんな中、怪人二十面相と呼ばれる怪盗が暗躍。華族からのみ金品を奪う彼を、男爵の私立探偵明智小五郎が追っていた。
サーカス一座の曲芸師平吉は、二十面相の罠に嵌められ、無実の罪で逮捕される。彼は、仲間のからくり師源治らの助けで脱走し、汚名をはらすべく、怪人二十面相に立ち向かう。
レトロなビルや塔が立ち並ぶ町の中を、平吉役の金城武が走って跳んで落下してまた跳んで走る。源治特製ワイヤーを駆使して建物から建物へ飛び移る様は、バットマンかスパイダーマンのようで、見ていて気持ちがいい。
金城は中国語をしゃべっている時の方が好きだったのだが、今回は日本語でもかっこいい。なかなか「ありがとう」と言わないのもいい。インド人に変装してみせるところはあまりにもターバンがよく似合っていて笑ってしまった。闊達なお嬢さんぶりを見せる松たか子も、からくり師の源治と詐欺師の菊子の犯罪者夫婦もいい。仲村トオルは、気障な探偵役と平吉が変装している明智という設定の際のギャップがおかしい。
アクション満載で、適度にユーモアがあって、楽しい映画だ。
ただ、最後の二十面相の正体については、原作通りなのかどうかわからないが、あの展開で盛り上がるかというと画面を見ている限りではあまりそうならなかった。二十面相と明智と平吉の三者が対立する前半の方がわくわくした。小林少年もこれといった見せ場がなくてちょっと可哀相な気がした。
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