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パイレーツ・オブ・カリビアン 生命(いのち)の泉 
Pirates of the Caribbean: On Stranger Tides
2011年 アメリカ 141分
監督:ロブ・マーシャル
製作:ジェリー・ブラッカイマー
出演:ジャック・スパロウジョニー・デップ)、アンジェリカ(ペネロペ・クルス)、バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)、黒ひげ/ティーチ(イアン・マクシェーン)、フィリップ宣教師(サム・クラフリン)、シレーナ(アストリッド・ベルジュ=フリスベ)、ギブス(ケヴィン・R・マクナリー)、スクラム(ステーヴン・グレアム)、ティーグ・スパロウ(キース・リチャーズ)、貴婦人(ジュディ・デンチ

★ちょっとねたばれあり★
人気の海賊シリーズ第4作。
第3作までで、ジャックとウィルとエリザベスの三角関係(?)やウィルと父親との因縁話が決着したため、今回はウィルとエリザベスは登場せず、新たにジャックの昔の恋人である女海賊アンジェリカと、海賊黒ひげが登場。
いのちを長らえることができるという生命の泉の在り処と儀式に必要な2つの聖杯を巡って、海賊とイギリス・スペイン両国海軍が争奪戦を展開する。

夜や夜明けや船内や鬱蒼としたジャングルのシーンが多く、総じて画面は暗めである。船のマストやロープ、突き出される剣など、3Dがなかなかよくて楽しめた。

前半、ジャックが英国王ジョージ2世との接見の場から逃走するシーンは、1作目冒頭の脱走を思わせてなかなかよかった。
黒ひげの海賊船復讐号(クイーン・アンズ・リベンジ号)で勃発する反乱や夜明けの湾での人魚の襲撃、生命の泉に着いてからのスペイン軍、イギリス軍、海賊が入り乱れての戦いなど戦闘シーンも盛りだくさんであるが、ラストは、アンジェリカと黒ひげの2人だけの話になってしまって、いまいち尻すぼみである。

聖杯の他に、儀式には人魚の涙が必要であるというやけにファンタジーな設定があって人魚たちが登場するのだが、彼女たちは美しい外見とは裏腹に凶暴な人食い生物であるということになっている。彼女たちは、海の妖精クリオネが獲物を追う時のように、一変して牙をむき、海賊たちを襲う。
そんな中、若き宣教師フィリップと捕われの身となった人魚シレーナとの間に恋が芽生える。二人のロマンスが、ちょっとした清涼剤となっている。

ジョニー・デップはいつものジャックで、飄々とした魅力を振りまいている。
復讐のため、ジョージ国王側についたバルボッサが、存在感を示して映画全体のほどよい重しとなっているように思える。
ペネロペ・クルスは、気持ち良さそうにアンジェリカを演じていて悪くないが、こういう女盗賊と主役の盗賊の掛け合いはどうも私には峰不二子ルパン三世もどきに見えてしまうのだった。
黒ひげティーチがあまり怖くないことがちょっと不満。みんなに恐れられている大海賊、誰より自分が大事な大悪党なのに、それだけのすごみが感じられないのだった。

おまけ:黒ひげティーチと聞けば、「ONE PIECE」ファンの日本の老若男女は、闇を操る能力者、海賊マーシャル・D・ティーチを思い浮かべると思うのだが、「黒ひげ」は、1716年から1718年にかけてカリブ海を荒らしまわった事で知られる実在の海賊の通り名。本名はエドワード・ティーチともエドワード・サッチとも言われているが、本当のところは不明らしい。(ウィキペディアより)

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