映画「ポンペイ」を見る

ポンペイ POMPEII
2014年 アメリカ/カナダ/ドイツ 105分
監督:ポール・W・アンダーソン
出演:マイロ(キット・ハリントン)、カッシア(エミリー・ブラウニング)、アティカス(アドウェール・アキノエ=アグバエ)、セヴェルス(ジャレッド・ハリス)、アウレリア(キャリー=アン・モス)、アリアドネジェシカ・ルーカス)、コルヴス元老院議員(キーファー・サザーランド)、グラエカス(ジョー・ピング)、ベラトール(クリー・グラハム)、プロキュラス(サッシャ・ロイズ)

★あらすじについての言及かなりあり★

西暦79年。ヴェスヴィオ火山の大噴火により、一瞬にして壊滅した古代都市ポンペイを舞台とする歴史スペクタクル&アクション&ラブロマンス。
いま何故ポンペイなのかわからず、巷での評判も芳しくないようなのだが、私としては、このようなB級活劇の精神にあふれた映画を見ると、とてもしあわせな気分になるのだった。
冒頭のローマ軍によるケルト民族虐殺シーンから、田舎の場末の店での剣闘試合で奴隷でありながら無敵の剣士となったヒーロー(マイロ)の登場、旅の途上でのヒロイン(カッシア)との出会い、牢の中での屈強なライバル(アティカス)との出会い、ポンペイの有力者(セヴェルス)にローマへの服従を迫ると同時にその娘であるヒロインも無理やり自分のものにしようとする憎まれ役元老院議員(コルヴス)の登場、馬を通して一気に恋に落ちるヒーローとヒロイン、そしてコロセウムでの剣闘試合では、奴隷の剣闘士たちがローマ軍の兵士をやっつけ、ポンペイ市民の支持を得て大いに盛り上がる。
そうしたドラマが展開する間、ポンペイの街の背後に聳え立ち、絶えず不穏な空気を漂わせていたヴェスヴィオ山が、遂に火を噴く。
街が崩壊し、人々が逃げ惑う中、コロセウムではローマ軍の騎士プロキュラスとアティカスが最後の対決を行い、マイロは騎乗して、カッシアを連れて逃げるコルヴスの馬車を追う。飽きない。
アティカスが名を尋ねても、殺し合う相手の名は知らなくていいと言って、マイロがなかなか名乗らないのがいい。
山間で大規模な土砂崩れから逃れてきて興奮して暴れているカッシアの馬を、騎馬民族ケルトの血を持つマイロがなだめるのもいいし、馬に乗ったマイロがついカッシアに手をさしのべ、カッシアもちょっと迷ってからえいやとそれに応えて、二人で馬に乗って疾走するところなどは、すごく昔の映画っぽくてよかった。
2時間に満たないことも、有名な俳優があまり出ていないのも、ヒロインを美しく撮ることにさほど熱心でないのもB級ぽい。キーファー・サザーランドがコルヴスを演じているが、古代ローマの衣装が似合わず、「24(トゥエンティ・フォー)」のジャック・バウアーがひょんなことから古代ローマにタイムスリップしてしまったの巻きといった感が否めないのだが、それもまた楽しというところ。
こんなふうに書くと褒めすぎの感があるが、こうゆうの好きなわたしは楽しめたということです。
※噴火の火砕流津波の映像は迫力があり、否が応にも雲仙普賢岳や東北大震災を思い出すので、そういう映像に抵抗を感じる人は、控える方がいいかもしれません。

<おまけ:同じような題材の作品>
●映画(制作年降順):
・「ポンペイ最後の日」THE LAST DAYS OF POMPEII 1960年イタリア/スペイン/モナコ/西ドイツ 監督:マリオ・ボンナルド、脚本:ドゥッチオ・テッサリ、セルジオ・コルブッチセルジオ・レオーネ、出演:スティーブ・リーヴス
・「ポンペイ最後の日」LES DERNIERS JOURS DE POMPEI/THE LAST DAYS OF POMPEII/GLI ULTIMI GIORNI DI POMPEI 1948年 フランス/イタリア 監督:マルセル・レルビエ、パオロ・モッファ、出演:ジャック・カトラン
・「ポンペイ最後の日」THE LAST DAYS OF POMPEII 1935年アメリカ 監督:アーネスト・B・シュードサック、出演:プレストン・フォスター
・「ポンペイ最後の日」THE LAST DAYS OF POMPEI 1926年イタリア 監督:カルミネ・ガローネ、出演:マリア・コルダ
●小説:「ポンペイ最後の日エドワード・ブルワー・リットン(イギリスの作家)1834年

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