「名探偵コナン 11人目のストライカー」を見る

名探偵コナン 11人目のストライカ
2012年 日本 東宝 110分
総監督:山本泰一郎 監督:静野孔文 原作:青山剛昌 
音楽:大野克夫 主題歌:「ハルウタいきものがかり
出演:江戸川コナン高山みなみ)/工藤新一(山口勝平)、毛利蘭(山崎和佳奈)、毛利小五郎小山力也)、阿笠博士緒方賢一)、灰原哀林原めぐみ)、吉田歩美(岩居由希子)、小島元太(高木渉)、円谷光彦(大谷育江)、鈴木園子(松井菜桜子)、目暮警部(茶風林)、白鳥警部(井上和彦)、佐藤刑事(湯屋敦子)、高木刑事(高木渉)、赤木英雄(辻谷耕史)、比護隆佑(櫻井孝宏)、真田貴大(吉野裕行)、香田薫(桐谷美玲)、山森慎三(千葉繁)、榊良輔(中村大樹)、本浦圭一郎(井上倫宏)、中岡一雅(東地宏樹)、宮根誠司(本人)、足立梨花(本人)、
ゲスト出演(サッカー選手本人役):三浦知良遠藤保仁今野泰幸中村憲剛楢崎正剛
コナンら少年探偵団がJリーグのサッカー観戦を楽しんでいたとき、毛利探偵事務所に、爆破を予告する電話が入る。犯人は暗号を提示し、それを解かないと大規模な爆発が起こると告げるのだった。蘭から新一宛の電話を受け取ったコナンは、暗号解読に乗り出し、爆弾が自分らがいる東都スタジアムの電光掲示板に仕掛けられていることを突き止める。コナンは、スケボー技術を駆使してスタジアムの天井近くに設置された電光掲示板裏の鉄骨に到達し、大惨事を阻止しようと奮闘する。
後半は、同一犯人がさらに規模の大きい爆破を予告。警察は、爆弾が仕掛けられる場所をスタジアムよりも大勢の人間が集まるコンサート会場と特定するが、コナンはそれがフェイクであることを見抜くのだった。
ここんとこ、このシリーズで感じられる違和感、犯人の動機と人となりと犯罪の手法や規模が噛み合っていない感じはやはりある。また、今回、コナンはスケボーだけでなく、サッカーにおいても見事な技術を披露するのだが、そのあまりにも超人的なプレイは、アニメだからよしとするか、いくらなんでもやりすぎと思うかは、ちょっと感想の分かれるところみたいだ。
が、今回は、何よりも、Jリーグとのコラボということで、映画1本丸々サッカー一色の巻きとなっていて、私はサッカーはよく知らないのだが、それでもそれがいい感じだと思った。
実在のサッカー選手が何人も本人役で声の出演をしている。遠藤選手初め、みんな思いっきり棒読みなのだが、むしろ好感が持てる。さすがにキング・カズは自然な感じで別個にコナンとやりとりをするのだが、カズと会って頬を紅潮させるコナンがまたかわいかったりする。
サッカー選手がコーチをしてくれる子どもサッカー教室に参加して嬉々とするコナンを見て、哀ちゃんは「ただのサッカー小僧ね」とクールに言い放つが、コナンだけでなく、作り手もこぞってサッカー小僧になって製作に取り組んでいるような熱意が感じられる映画だった。爆破阻止の段階において、各チームのエースストライカーに花を持たせたり、コナンが遠藤選手に教わったフリーキックが最後に活かされる展開などにも、選手への敬意が感じられる。
サッカーに重きを置いたせいか、最近のシリーズ作品と違ってアバンタイトルが短く、お馴染みとなっている蘭と新一の中学時代の思い出もごくあっさりしていて却ってよかった。