映画「るろうに剣心」を見る

るろうに剣心
2012年 日本 公開:ワーナー 134分
監督:大友啓史
原作:和月伸宏るろうに剣心  明治剣客浪漫譚
出演:緋村剣心/人斬り抜刀斎(佐藤健)、鵜堂刃衛(偽抜刀斎。吉川晃司)、藤田五郎/斉藤一江口洋介)、武田観柳(香川照之)、神谷薫(武井咲)、相楽左之助青木崇高)、明神弥彦(田中偉登)、高荷恵(蒼井優)、外印(仮面の男。綾野剛)、戌亥番神(クリスチャンの武道家須藤元気)、山県有朋奥田瑛二)、警察署長(斉藤洋介


幕末、「人斬り抜刀斎」として恐れられる討幕派の暗殺者がいた。
明治維新から10年後、抜刀斎は緋村剣心と名乗り、不殺(ころさず)の誓いを立て、刃と峰が逆になった特別誂えの逆刃刀を帯びて、流浪の旅を続けていた。
が、再び残虐な斬殺者として「人斬り抜刀斎」という名が世間を騒がす。偽者が抜刀斎の名を騙って事件を起こしていたのだ。彼(鵜堂)を用心棒として雇う実業家武田観柳は、地上げの邪魔になる道場をつぶそうとしていた。亡き父の道場を引き継ぐ少女薫は道場を守ろうとして鵜堂に戦いを挑むが、力及ばず、剣心に助けられる。剣心は薫の道場に身を寄せる。
観柳は闇のアヘン売買による金儲けをもくろみ、医師一族の生き残り恵をアヘン精製の技術者兼 愛人として取り込んでいた。恵は、観柳のもとを抜け出し、彼女もまた薫の道場に居候をすることになる。一方、警官となった元新撰組斎藤一は、観柳の悪事を暴こうとしていた。陸軍大将の山形有朋と彼は、剣心に協力を要請するが、殺さずの誓いを立てた剣心はこれを拒否する。
が、観柳の手は剣心に伸び、また鵜堂は剣心との一戦を切望していた。
監督及びキャストを見ると、一昨年のNHK大河ドラマ龍馬伝」をどうしても思い出してしまう。剣心役の佐藤健は「龍馬伝」では人斬り以蔵、観柳役の香川照之岩崎弥太郎、恵役の蒼井優は長崎の隠れキリシタンの芸者お元を演じていて、役柄もけっこう重なる。香川は、貧民からのし上がる岩崎を怪演していたが、ここでは悪行に手を染めた悪玉実業家を演じてさらに絶好調である。「龍馬伝」で後藤象二郎を快演していた青木は、絵にかいたような豪快な儲け役左之助をこれまた気持ちよさそうに演じている。
江口の斉藤一と吉川の仇役がしっかり脇を固めているが、なんといっても主演の佐藤健が魅力的だ。普段はのんびりしつつも、剣を持つときりっとなる、翳のある青年剣士を好演している。
チャンバラの殺陣というのとは毛色が違うのだろうが、ワイヤーアクションを駆使した立ち回りは見ていて楽しい。

関連作はこちら
・「るろうに剣心 京都大火編」 http://d.hatena.ne.jp/michi-rh/20140813/1407897438
・「るろうに剣心 伝説の最期編」 http://d.hatena.ne.jp/michi-rh/20140923/1411435775