映画「るろうに剣心 伝説の最期編」を見る

るろうに剣心 伝説の最期編
2014年 日本 公開ワーナー 135分
監督:大友啓史
原作:和月伸宏るろうに剣心 明治剣客浪漫譚
出演:緋村剣心/心太(佐藤健/福崎那由他)、斎藤一/藤田五郎江口洋介)、四乃森蒼紫(しのもりあおし。伊勢谷友介)、柏崎念至/翁(田中泯)、巻町操(土屋太鳳)、志々雄真実(藤原竜也)、瀬田宗次郎(神木隆之介)、佐渡島方治(さどじまほうじ。滝藤賢一)、悠久山安慈(丸山智己)、駒形由美(高橋メアリジューン)、神谷薫(武井咲)、相楽左之助青木崇高)、高荷恵(蒼井優)、明神弥彦(大八木凱斗)、伊藤博文小沢征悦)、比古清十郎(福山雅治
★ネタバレというか、内容バレしてます。
続編にして完結編二部作の後編である。
国盗りをもくろむ志々雄一味の船(「煉獄」というらしい)から、夜の海に落とされた薫の後を追って海に飛び込んだ剣心が、海岸に漂着し、謎の男に発見され、かつがれていくところで終わった前編からの続き。
謎の男は、剣心に剣を教えた師匠比古清十郎だった。
前半は、清十郎のもとで飛天御剣流(ひてんみつるぎりゅう)の奥義を習得するまでの剣心の修行の様子が、後半は「煉獄」での志々雄との対決が描かれる。その間に、剣心と蒼紫の対決、薫と佐之助・弥彦の再会、志々雄に脅された明治政府の裏切りによる剣心の逮捕などがある。
海に落ちた剣心がたまたま師匠に拾われ、薫もたまたま漁船に拾われ、師匠は奥義を習得するために剣心に欠けているものは「生きようとする心」だと言うが、わたしとしてはさほど目新しくも思えず、きっと原作漫画ではいろいろ出番があったのであろうと思われる脇役らはちょっとずつ姿を見せては消化不良のまま消え、伊藤博文は言動に無理があるなど、話としてはふにゃふにゃな感じが否めない。
が、痛快なアクションと、それを披露する佐藤健始め、伊勢谷、江口、藤原、神木ら俳優たちの姿や表情を楽しむための映画であり、それは見る価値のあるものだと思う。
最期の「煉獄」での対決は、志々雄一人に対し、剣心、斎藤、蒼紫、佐之助と4人掛かりの勝負となる。昔見た「プロジェクトA」(1983年)の海賊との対決を思い出した。ジャッキー・チェン、サモ=ハン・キンポー、ユン・ピョウが挑んだ相手は巨漢の悪漢だったが、志々雄は全身火傷の細身の男。それでも斬った相手を燃やすというすごい技を持っていて、とにかく強いから、4対1でもなかなか倒せない。男前の4人が入れ替わり立ち替わり立ち向かっていくのがいいし、一人で受けて立つ包帯だらけの藤原達也がまたよかった。
あと、こんな細部はどうでもいいのだが、一応。対決が終わり、佐之助に抱えられてきたぼろぼろで血だらけの剣心を見て、「剣心、無事だったのね。」という薫殿はいかがなものか。生きててよかったと言いたいのだろうが、「無事」とは言わんだろう。この天然ぶりは可笑しい。
それと、伊藤博文、「抜刀斎は死んだ。」と言っても、散々極悪人人斬り抜刀斎として「緋村剣心」の名前を世間に周知してるんだから、ちゃんと訂正とお詫びの文を出してねと思った。

<関連作の感想はこちら>
・「るろうに剣心 京都大火編」 http://d.hatena.ne.jp/michi-rh/20140813/1407897438
・「るろうに剣心」 http://d.hatena.ne.jp/michi-rh/20120920