映画「22年目の告白−私が殺人犯です−」を見る(感想)

22年目の告白−私が殺人犯です−
2017年 日本 公開ワーナー 117分
監督:入江悠
出演:曽根崎雅人(殺人犯。藤原竜也)、牧村航(刑事。伊藤英明)、岸美晴(書店員。夏帆)、橘大祐(やくざ。岩城滉一)、戸田丈(橘組構成員。早乙女太一)、山縣明寛(医師。岩松了)、滝幸宏(牧村の上司。平田満)、牧村里香(牧村の妹。石崎杏奈)、小野寺拓巳(里香の恋人。野村周平)、春日部信司(刑事。竜星涼)、川北未南子(編集者。松本まりか)、仙堂俊雄(中村トオル

★ちょっとネタバレあります!★

1995年、東京で5件の連続殺人事件が発生。被害者とその近親者を拘束し、被害者が絞殺される様子を近親者に目撃させるという残虐な犯行に世間は騒然とした。被害者と目撃者は、定食屋の主人と妻、会社員と妻(二人の娘が美晴)、ホステスとヤクザ(橘)、医師夫人と医師(山縣)、事件担当の刑事(滝)とその部下の刑事(牧村)だった。
それから22年後、時効を廃止する法案ができるが、この事件はその法案が施行される前に時効となるため、新法は適用されず時効が成立、それを盾に犯人が名乗りを上げる。曽根崎雅人と称するその男は事件の全貌を記した著書を出版する。当時事件を担当し上司を殺された牧村はじめ、被害者の遺族たちのやりきれない思いをよそに、曽根崎はそのいけてる容貌もあって女性ファンもでき、巷を騒がせる。サイン会にファンが殺到し、その会場で橘の組の構成員戸田が曽根崎を襲撃しようとしたのを牧村らが制止する。正義派ニュースキャスターの仙堂は、曽根崎と牧村を生放送のスタジオに呼ぶ。が、そこには二人の他にもゲストがいた。それは、真犯人しか撮れないはずの動画を投稿してきた男だった。
過去に起こった陰惨な事件のスピーディな説明と22年後の新展開が煽情的に描かれて、前半はぐいぐいと引っぱられるように見てしまう。藤原竜也のふてぶてしいイケメン犯人ぶりは、やっぱりこうかと思いつつも安定して楽しめる。中村トオルの登場により後半の展開がなんとなく予想できてしまい、別荘での真相解明の段になると、いささか緊張感が薄れてしまったように感じた。
5人の被害者といいながら4人の被害者の遺族しか出てこず、最初の定食屋の主人とその遺族にはほとんど触れないので見ている間中それがひっかかって、後から5人目の遺族が出てくるのかと勘繰ったりもしたのだが、これは単に出てこないだけだった。