ドラマ「1883」(シーズン1全10話)を見る(感想)

1883 1883
U-Next配信  シーズン1:2021年~2022年
脚本:テイラー・シェリダン
監督:テイラー・シェリダン、クリスティーナ・アレクサンドラ・ヴォロス、ベン・リチャードソン
出演:ジェームズ・ダットン(ティム・マックグロー)、マーガレット・ダットン(フェイス・ヒル)、エルサ・ダットン(イザベル・メイ。ナレーションも)、ジョン・ダットン(オーディ・リック)
シェイ・ブレナン(サム・エリオット)、トーマス(黒人。ラモニカ・ギャレット)
ヨセフ(ドイツ人移民グループの通訳。マーク・リスマン)、リザ(ヨセフの妻。アンナ・フィアモラ)、ノエミ(ロマの女性。グラティエラ・ブランクシ)、
イニス(カウボーイ。エリック・ネルセン)、ウェイド(カウボーイ。ジェームズ・ランドリー・ヘバート)、クッキー(料理人。ジェームズ・ジョーダン)、コルトン(カウボーイ。ノア・ル・グロー)
チャールズ・グッドナイト(盗賊を追う男。ブレナンの知り合い。テイラー・シェリダン
サム(コマンチの青年。マーティン・センズメアー )

ドラマ「イエローストーン」の牧場創設者、初代ダットンの話。
1883年、元南軍大尉のジェームズ・ダットンは、妻のマーガレットと、娘のエルサ(18歳)、息子のジョン(4歳)とともに、開拓民として、新天地オレゴンを目指していた。
一家は、元北軍大尉でピンカートン探偵社の探偵(といっても雇われボディガードのような仕事)であるシェイ・ブレナンとその仲間トマス(ブレナンの元部下のようだ)が護衛を務めるドイツ移民の幌馬車隊に加わって旅に出る。ドイツ移民らは、馬に乗れず、通訳のヨセフしか英語をしゃべれない。水泳を禁じられていたため、川を渡る際にも泳げないという状態であった。
一行の旅は困難を極める。無法者たちの襲撃に遭い、毒蛇に噛まれ、河を渡る際に溺れ荷物を流され、竜巻で馬車を破壊され、誤解からインディアンの襲撃を受けるなどして、多くの者が命を落とし、はるばる故郷から運んで来た荷物の多くを失う。
18歳の少女エルサは、持ち前の奔放さと乗馬好きから、スカートを脱いでズボンをはき、カウボーイとなって荒野を駆けめぐる。恋仲になったカウボーイを亡くし悲嘆にくれるも、コマンチの青年との間に新たな恋が芽生える。雄大な荒野を駆ける、エルサのはつらつとした騎馬姿は心地よく、当作品の魅力となっている。
が、幌馬車隊の旅はあまりにも過酷で見ていてつらくなるところもあった。
ラスト、ダットン一家は、ある事情からオレゴンに行くのをやめ、モンタナ州のパラダイスヴァレーに居を構える決心をするのだが、その事情がまた悲しいのであった。
インディアンの扱いが独特である。凶悪で攻撃的な原住民とか、白人に迫害された気の毒な少数民族とか、これまでの映画やドラマにありがちな目線を離れ、同じ土地に生きる者として関わらざるを得ない相手といった感じで登場する。彼らの土地を通過する際に水の使用料を払い、悲惨な戦いに至るにも経緯があるという具合だ。コマンチの青年サムは性格が男前すぎだろうという気もするし、エルサとの恋をダットンやマーガレットが割とあっさり受け入れるのも当時の親としてどうかと思ったが、斬新ではあった。
ラスト、パラダイスヴァレーは7世代後にクロウ族に変換するという条件が提示される。李鴻章の100年後の香港返還を条件にした条約締結を思い出すが、これは「イエローストーン」のジョン・ダットン(ケヴィン・コスナー)に伝わっているのだろうか。

今回見たのは「1883」のシーズン1の10話、まだシーズン2,3と続くらしい。さらにハリソン・フォード主演で「1923」があり、「イエローストーン」もまだ続いている。長すぎてとてもじゃないが、全部見届ける自信がないのだった。
※「イエローストーン」シーズン4の第1話、第8話に、「1883」から10年後(1983か)の様子が描かれているシーンが登場しているらしい。

 

netflix「1883」紹介ページ

https://video.unext.jp/freeword?query=1883&td=SID0077947

 

以下、各話のあらすじを書く。

★最後まで筋が書いてあるので見ていない人は注意してください。★

1話 1883(67分) 1883
監督:テイラー・シェリダン
出演:クレア・ダットン(ダウン・オリヴィエリ)、メアリー・アベル・ダットン(エマ・マルドフ)、
冒頭は、1883年、グレートプレーンズ。幌馬車隊がインディアンに襲われている場面。女性のナレーション(エルサ)が、西部の過酷さを語る。倒れているエルサが起き上がると、周囲には移民やインディアンの死体が転がっている。馬に乗ったインディアンが近づき、エルサと言葉を交わす。エルサは死体から抜き取った拳銃でインディアンを撃つ。
場面代わって。元北軍大尉のブレナンは、天然痘で最愛の妻を亡くす。彼は、かつての部下(?)トーマスとともに、ピンカートン探偵社の探偵となり、新天地オレゴンを目指すドイツ移民の幌馬車隊の旅の護衛を引き受けるため、テキサス州フォートワースへ向かう。町へ向かう途中、ブレナンとトーマスは、ジェームズ・ダットンが無法者の襲撃を受ける場面に出くわす。ダットンが一人で複数の敵を相手に見事に撃退する様子を目撃する。
ダットンは、フォートワースで家族を待っていた。汽車に乗って、妻のマーガレット、娘のエルサ、息子のジョン、妹のクレアとその娘メアリー・アベルがやってくる。躾に厳しいクレアは、奔放な姪のエルサが気に入らず、なにかにつけ辛辣な小言を言う。
一方、ブレナンとトーマスが護衛を引き受けた幌馬車隊は、ドイツから来た貧しい移民たちで、西部で生きるすべを何もしらない集団だった。英語もしゃべれず、通訳のヨセフを介してなんとかコミュニケーションが取れるというありさま。ブレナンは、ダットンの腕を買い、幌馬車隊との合流を申し出る。ダットンはそれを承諾し、一行のオレゴンを目指す旅が始まる。

2話 意地と別れ(59分) Behind Us, a Cliff
監督:テイラー・シェリダン
出演:ジム・コートライト(実在した保安官。ビリー・ボブ・ソーントン)、ジョージ・ミード(北軍の准将。トム・ハンクス
冒頭、1862年南北戦争アイティータムの戦い後の様子が映し出される。ジェームズ・ダットンは、戦いに敗れた南軍の大尉として戦場で呆然自失の状態にある。北軍のミード准将がやってきてダットンの肩を叩く。
場面は1883年のテキサスにもどって。ダットンとブレナンは、町に牛を買いに行くが、値段が高すぎるので、野生の牛を集めることにする。ダットンは、ウェイドとイニス、二人のカウボーイを雇い、二人とエルサを連れて牛集めに出かける。
ダットンとブレナンらが留守のときに、キャンプに無法者のクライド・バーカーとその仲間がやってきて水を飲ませてくれという。クレアは石を投げて追い払うが、パーカーたちは戻ってきて、キャンプを襲う。銃撃により幌馬車隊の人々が倒れる。クレアの娘アベルも撃ち殺されてしまう。
キャンプに戻ったダットンとブレナンは、バーカー一味を追ってフォートワースへ。保安官のコートライトが、酒場ホワイトエレファントにいるバーカーらを見つける。コートライトは銃を抜こうとした彼らを早撃ちでもってことごとく撃ち殺す。
キャンプをたたみ、幌馬車隊は出発する。クレアはアベルの墓から動かない。ダットンが声をかけても、5人いた子どもを次々と亡くし、最後に残ったアベルまで失った彼女は絶望して自殺を図る。ダットンは彼女を埋葬し、一行は出発する。

3話 のりこえるべきもの (44分)  River
監督:クリスティーナ・アレクサンドラ・ヴォロス
出演:ノエミ(ロマの女性。グラティエラ・ブランクシ)、リザ(ヨセフの妻。アンナ・フィアモラ)
幌馬車隊の旅は過酷なものとなる。馬車の事故や獣や毒蛇の被害で死者が後をたたない。
行く手に大きな川が流れていて、一行は東へ大きく迂回して船で渡るか、危険な西への道を取るかの選択を迫られる。東への経路を取ると冬になってしまうが、厳しい冬を迎える前に旅を終えるべきという思いは、ダットンもブレナンも同じだった。
旅の途中で夫を亡くし、幼い息子二人を抱えているロマ(ジプシーのようなものらしい)の女性ノエミを不憫に思い、ブレナンとトマスはなにかと世話を焼いてやる。彼女から生活道具を盗んだ男たちを、ブレナンは隊から追放する。
ダットンは幼い息子ジョンを連れてシカ狩りに行き、狩りのやり方とともに、動物の命を奪うことの意味を教える。
二人のカウボーイと、マーガレットとエルサは牛を集めに行く。エルサは、馬を駆って牛を追うマーガレットを見て、今まで知らなかった母の一面を見る。エルサとカウボーイのイニスは恋の駆け引きのような会話を繰り返し、お互い惹かれつつある。
一行は、西へ向かうことを選択する。

4話 命の分かれ目(55分) The Crossing
監督:クリスティーナ・アレキサンドラ・ヴォロス
エルサはスカートをドイツ移民の主婦がつくったズボンと交換し、ズボンをはく。馬に乗るのに便利だが、ズボンをはく女性は奇異な目で見られる。
エルサはイニスとキスをし、ふたりは恋人同士となる。
一行の行く手をブラゾス川が阻む。ダットンは、みんなが川を渡る手助けをするため、家族を連れて夜の間に向こう岸に渡る。翌朝、川は深く、水の量が増えている。ブレナンは、移民たちに荷物を減らすよう命じる。痛恨の思いで、ピアノを置いていく音楽家など、移民たちはブレナンの非情な命令にいやいやながら従う。
牛を渡すのは最後となるため、エルサとカウボーイたちは一番後に川を渡る。エルサは、移民が捨てたピアノを見つける。イニスにせがまれてピアノを弾く。物悲しい曲だ。楽しい曲を弾けよというイニスに対し、暗い曲しか練習しなかったという。
渡河は困難を極める。馬車が倒れたり、落ちて溺れ死ぬ人もいる。渡り終えたあと、家族を亡くし悲嘆にくれる移民たちの姿がそこかしこにある。

5話 毒と自由と(56分) The Fangs of Freedom
監督:クリスティーナ・アレクサンドラ・ヴォロス
ブラゾス川を渡った際に、食料を積んだ馬車が流されてしまう。わずかな食料を盗んだ男たちが、ブレナンに追放される。ブレナンに言われ、ヨセフが幌馬車隊のリーダーとなる。
マーガレットとエルサは裸で水浴をする。エルサはイニスとの恋に夢中。そんな娘にマーガレットは、性教育を施す。
亡くなったり追放されたりして、幌馬車隊の人数は1週間で半減する。
エルサはイニスと一夜をともにする。ダットンは、エルサとイニスの仲を許す。
ウェイドは、6頭の馬の足跡を発見する。丘の向こうにたき火の煙が見える。6人の男たちが一行を狙っている。幌馬車隊は、彼らの襲撃を受ける。イニスが撃たれて死んでしまう。
エルサは、捕らえられた犯人を撃ち殺す。

6話 悪魔との根競べ(51分) Boring the Devil
監督:ベン・リチャードソン
出演:クッキー(料理人。ジェームズ・ジョーダン)、コルトン(ノア・ル・グロー)、キャロル(リタ・ウィルソン)
一行は、レッド川沿いに進んでテキサス州オクラホマ州の境、ドーンズ渡し場にやってくる。
イニスの死で悲嘆にくれるエルサ。妻を亡くした経験を持つブレナンが彼女を慰める。「アパッチの言葉に、愛し合うことは魂を交換することだというのがある。相手の死は自分の一部を失くすことだから痛い。でも、彼の魂の一部は君の中にある。」と。エルサに、妻を亡くしなぜ生きているの?と聞かれ、ブレナンは「海へ行く。」と答える。「死んだ妻の悲願だったから、自分が行って妻に海を見せてやる。」と。
幌馬車隊の人々は渡し場で物資を調達する。トマスは、クッキーというベテランの料理人を雇う。ダットンは、カウボーイのコルトンを新たに雇う。マーガレットは、雑貨店主のキャロルと酒を飲んで酔っ払う。トーマスは、ノエミにフランス製のきれいな手鏡をプレゼントし、二人は一夜をともにする。
一行は、レッド川を渡って、インディアンの土地に入る。

7話 黄色い髪の稲妻 (53分) Lightning Yellow Hair
監督:クリスティーナ・アレクサンドラ・ヴォロス
出演:サム(マーティン・センズメアー )、チャールズ・グッドナイト(盗賊を追う男。テイラー・シェルダン)
旅を続ける幌馬車隊とダットン一家。コマンチの若者二人が姿を現す。ブレナンは、水を使う代金を払い、二人を夕食に招待する。牛を一頭つぶし、クッキーは料理の腕をふるう。
コマンチの若者サムは、エルサの馬ライトニングをほめる。エルサとサムは馬のレースをして、エルサが勝つ。サムは、ライトニング(稲妻)は君だという。「黄色い髪の稲妻」とエルサを呼ぶ。エルサは、ブロンドの髪を切ってサムに渡す。サムは、ナイフをエルサに献上する。サムは、エルサの髪で馬の細工物をつくって置いていく。
クッキーがいなくなる。嵐が来るのでさっさと避難していたのだ。嵐とともに竜巻もやってくる。
竜巻が一行を襲う。死者は出なかったが、馬車が飛ばされ、多くの者が持っていたものを失くす。ノエミの馬車も壊れる。トマスにもらった鏡も割れてしまう。竜巻のどさくさでエルサとサムはキスをする。
ダットンらは、散らばった牛や馬を集める。クッキーが戻ってくる。
低地に集まっていた牛を、13人の盗賊が盗もうとしていた。ダットン、ブレナンらと銃撃戦となる。エルサは盗賊3人に追われる。サムと相棒が駆けつけて3人を殺す。盗賊を追っていた男、グッドナイトが登場。ブレナンの知り合いだった彼は、助けに回る。
エルサを心配してやってきたマーガレットは、馬をよこせと銃を向ける盗賊を撃ち殺す。

8話 嘆きという名の降伏(55分) The Weep of Surrender
監督:ベン・リチャードソン
ダットンとカウボーイたちは、散らばった馬を集める。
サムは自分の部族のキャンプにエルサらを連れていく。エルサは、ズボンが破けてしまい自分で繕ったが、インディアンの女性に黄色いチャップスを作ってもらう。
幌馬車を失い、一行の移動速度は大幅に落ちる。冬前にオレゴンに着ける可能性は低い。一行は、オレゴンを目指すか、コロラド州デンバーへ目的地を変えるか選択を迫られる。ブレナンの強硬なやり方に反感を抱いていたせいか、移民たちはダットンを信頼しているとブレナンはダットンに言う。彼らを導くのは君だと。彼らは、オレゴンを目指す決断をする。
エルサは、サムとの結婚を決意するが、オレゴンまでは幌馬車隊や家族といっしょに行き、それから戻ってくるとサムに約束をする。エルサは、サムにもらったカラフルで露出の多い部族衣装の上衣を着る。
馬車をなくした移民たちは慣れない馬に乗る。トマスは、ノエミに乗馬のアドバイスをする。馬の頭ではなく、進む方向を見るのだと(わたしが乗馬体験をしたとき、コーチに同じことを言われた)。ヨセフの妻、リズも馬に慣れてくる。

9話 蒼天の雲(56分) Racing Clouds
監督:ベン・リチャードソン
出演:ラコタ族の男たち(トカラ・ブラック・エルク、グレイ・ウルフ・ヘレーラ)
リザの乗る馬が毒蛇を踏み、リザは落馬して重傷を負う。リザに駆け寄ったヨセフは足を毒蛇にかまれる。
ブレナン、トマス、ダットンは、馬泥棒に襲撃されたラコタ族のキャンプをみつける。そこでは女性と子どもたちが惨殺されていた。足跡をつけてしまったブレナンらは、自分たちの幌馬車隊が犯人だと思われ、ラコタ族に復讐されることになると考える。
ダットンはマーガレットに事情を話しキャンプで待つように言い、自分たち3人は無実を証明するため、馬泥棒たちを追う。3人は、ワイオミング牧場主協会のものだという男たちにでくわすが、彼らこそが馬泥棒で、3人は彼ら全員を皆殺しにする。
料理人のクッキーは、キャンプで待つのは危険だと言って、砦に向かう。一行は、彼について行く。マーガレットは、砦に行くのにエルサが露出の多いインディアンの服を着ているのはまずいと言って、ワンピースドレスに着替えさせる。一行は、復讐に燃えるラコタ族の男たちに出くわし、激しい襲撃を受ける。クッキーは殺される。エルサは襲撃者を減らすため、おとりになって馬を駆る。ラコタ族の戦士が数騎追ってきて、エルサは矢で射られ、落馬する。追手に殺されそうになるところで、サムに教わった部族語を発す。英語がわかるラコタ族の男に自分はコマンチのサムの妻だといい、話をして誤解を解く。ラコタのリーダーは、襲撃隊を率いて去っていく。
コルトンは、頭皮をはがれ、矢を身体につきたてたまま半狂乱になって死にかけている移民の女を憐れに思って撃ち殺す。
馬泥棒をやっつけたブレナンら3人は、キャンプに帰る途中、襲撃から引き揚げてきたラコタ族の男たちと出くわす。ダットンが単騎、彼らに近づき、リーダーと話す。馬泥棒をやっつけたこと、死体のある場所を伝え、エルサのことを聞く。リーダーはエルサを勇者だといい、戦いを仕掛けずに去る。
移民の女性を射殺したことに落ちこむコルトンに、ブレナンは、ここでは自分の判断がすべてだ、自分の判断を受け入れろという。
エルサは矢を抜いて治療をうけるが、容態はよくない。ダットンは、マーガレットと話をする。エルサは助からない、それを受け入れなければならない、彼女が自分で選んだ場所に埋葬し、そこをダットン家の安住の地にしようと言う。

10話 旅路の果て(65分) This Is Not Your Heaven
監督:ベン・リチャードソン
出演:スポッテド・イーグル(クロウ族の長老。グラハム・グリーン)
牛がいなくなってカウボーイはお役ごめんとなり、ウェイドとコルトンは新しい仕事を求めて旅立つ。蛇にかまれたヨセフと落馬したリズ、そしてエルサの容態はよくならず、治療のため、一行は近くの砦に向かう。一行は砦に着いたが、そこに医者はいず、砦の所有者は馬泥棒のボスだった。一行は砦を出て、モンタナを目指す。蛇に噛まれたヨセフの足は壊疽を起こし、ブレナンらは彼の足を切断する。リサは、回復せず、死んでしまう。
どうみても具合が悪いのに、ダットンはエルサに調子がよさそうだといい、馬に乗っていいと言う。父の態度から、エルサは自分は死ぬのだと察する。
一行はクロウ族に出会う。エルサは身を清めてもらう。長老は、ダットンに、娘は助からないといい、安住の地として、パラダイスヴァレーの場所を教える。(このとき、7世代後には土地を返還するよう要請し、ダットンはそれを承諾する。)馬で2日、馬車で7日の距離にあるその土地へ、ダットンとエルサは先に馬で向かう。ヴァレーに着いた二人は草原の木の根元に座る。エルサはダットンに抱きかかえられたまま、自分をここに埋葬してくれと言って息を引き取る。ダットンはそこを安住の地と決め、そこに築いた牧場はのちのイエローストーン牧場となるのだ。
1年後、片足を失ったヨセフは、オレゴンで土地を得て家を建てる。トマスとノエミもオレゴンで新生活を始める。ブレナンは、死んだ妻が見たがっていた海へ行き、海岸に腰を下ろして75歳の生涯を終えるのだった。