「トイ・ストーリー3」を見る(ねたばれあり)

トイ・ストーリー Toy Story 3
アメリカ 2010年 103分 
監督:リー・アンクリッチ 
制作総指揮:ジョン・ラセター 
脚本:マイケル・アーントジョン・ラセターアンドリュー・スタントン、リー・アンクリッチ 
音楽:ランディ・ニューマン 
出演(声・原語版/日本語版):ウッディ(トム・ハンクス唐沢寿明)、バズ・ライトイヤーティム・アレン所ジョージ)、ジェシージョーン・キューザック日下由美)、レックス(ウォーレス・ショーン/三ツ矢雄二)、ハム(ジョン・ラッツェンバーガー/大塚周夫)、ミスター・ポテトヘッド(ドン・リックス/辻萬長)、ミセス・ポテトヘッド(エステル・ハリス/松金よね子)、スリンキー・ドッグ(ブレイク・クラーク/永井一郎)、リトル・グリーンメン(ジョフ・ピジョン)、グリーンアーミーメン、バービー(ジョディ・ベンソン/高野理恵子)、
ロッツォ・バグベア(ネット・ビーティ/勝部演之)、ケン(マイケル・キートン東地宏樹)、ビッグベビー、ストレッチ(ウーピー・ゴールドバーグ)、ミスター・ブリックルパンツ(ティモシー・ダルトン)、チャンク、トゥイッチ、ブックワーム、チャーターフォン、トリクシー、バターカップ、ドーリー、お豆三兄弟、トトロ 
アンディ(ジョン・モリス小野賢章

★ねたばれあり
カウボーイのウッディ、宇宙の戦士バズ、カウガールのジェシーほか、おもちゃたちが活躍するシリーズ3作目。今回は、バービーと、そのボーイフレンド人形のケンも登場。「バービーのそえもの」と言われてもめげない、軟派でナルシーなケンがなかなか愉快。
持ち主のアンディが17歳となり、おもちゃたちは遊んでもらえることもなく、古いおもちゃ箱に入れられっぱなしになっていた。アンディが大学入学のため家を出ることになり、彼の持ち物の行き先は、「大学」「屋根裏」「ゴミ箱」の3つに分かれることになった。
アンディの一番のお気に入りだったウッディは「大学」に分別されるが、ジェシーやバズや他のおもちゃたちは「屋根裏」行きとなる。が、ある手違いから、彼等が入った袋がゴミ捨て場に出されてしまう。なんとかゴミ処理車から逃れたジェシーたちだったが、アンディに捨てられたと誤解し、サニーサイド保育園に「寄付」される道を選ぶ。
保育園で、ジェシーたちは、ロッツォという熊のぬいぐるみをリーダーとする園のおもちゃたちに歓迎される。園でのおもちゃの生活は楽しそうだった。かに見えたのだが、ジェシーたちが配属された「いもむしぐみ」は年少のこどもたちのクラスでおもちゃの扱いは最悪だった。おもちゃを投げ、振り回し、汚し、たたきつける、傍若無人な遊び主たちだったのだ。
やがてロッツォも、そのかわいらしい外見からは思いもよらない、ギャングのボスのごとく凶悪な本性をあらわにする。
アンディへの誤解も解け、ウッディの救援も加わって、彼等は極悪刑務所のような保育園から必死の脱出を試みる。
冒頭はモニュメントバレーらしき岩山を背景とした西部劇アクションアニメで楽しい。
続いて子どもだったアンディが、おもちゃで楽しく遊んでいる様子がビデオで示される。これにより、それがすでに過去であることが証され、現在のおもちゃたちの寂しい状況がそれとなく知らされるあたりから、物語は一部の隙もなく、最後まで見事な展開を見せる。
クライマックスの脱走シーン。扉を開け、敵のパトロールと猿の監視員の目をかわし、ゴミ捨て口から脱出したはいいものの、ゴミ収集車に乗せられ、ゴミ捨て場に捨てられ、流され、地獄の焼却炉までの道程が、怒濤の勢いで一気に描かれる。燃える炎が反映するオレンジ色の光の中、却炉に向かってずるずると滑りゆくおもちゃたちが無言で手を取り合うシーンは、感動的。
アンディとの別れのシーンも圧巻である。
「あばよ、相棒」("So long...partner.")
ウッディのアンディへの別れの挨拶は、カウボーイらしく西部劇風だった。

トイ・ストーリー3 [DVD]

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