映画「猿の惑星 創世記(ジェネシス)」を見る

猿の惑星 創世記(ジェネシス) RISE OF THE PLANET OF THE APES
2011年 アメリカ 106分
監督:ルパート・ワイアット
出演:シーザー(アンディ・サーキス)、ウィル・ロッドマン(ジェームズ・フランコ)、キャロライン(フリーダ・ピント)、チャールズ・ロッドマン(ジョン・リスゴー)、スティーヴン・ジェイコブス(デヴィッド・オイェロウォ)、フランクリン(タイラー・ラビーン)、ランドン(ブライアン・コックス)、ドッジ(トム・フェルトン)、ロドニー(ジェイミー・ハリス)、ハンシッカー(ウィルの隣人。パイロット。デヴィッド・ヒューレット
SF映画史に残る衝撃的なラストシーンで有名な「猿の惑星」(1968年)を前提に、「猿の惑星」の起源を描く。
現代のサンフランシスコ。老父のため、アルツハイマー病の治療薬の研究をする科学者ウィルは、生体実験によって異常に脳が発達したチンパンジーの子シーザーを自宅に引き取って育てる。隣人とのトラブルから動物保護施設に収容されたシーザーは、そこで虐待を受け、やがて仲間を従えて脱走し、人類を襲撃する。
CGだかVFXだかの技術を駆使した猿たちの動きはスピーディで力強い。ラストの金門橋での戦闘は、大迫力で見応えがある。猿たちがバスを横倒しにしてずずずっと人間に迫っていくところなど、自分が人間であることを忘れて猿たちに喝采を送りたくなる。
パフォーマンス・キャプチャー技術というらしいが、アンディ・サーキス演じるシーザーの「目」がすべてを語る。
ウィルは、病に犯されていく老父の様子を悲しげに見守り、シーザーを子どものようにかわいがっているが、やがて、成長したシーザーはウィルが年老いた父を見たのと同様の眼差しでウィルを見つめるようになる。保護する者と保護される者の逆転が暗示されるのである。緑色の虹彩を持ったシーザーの眼差しはなんとも切ない。
宇宙船のニュースや自由の女神の模型など、1作目を思わせる細部がちりばめられていて、思わずにやりとしてしまうのだった。
関連作品:「猿の惑星」(1968年)、「続・猿の惑星」(1970年)、「新・猿の惑星」(1971年)、「猿の惑星・征服」(1972年)、「最後の猿の惑星」(1973年)、「PLANET OF THE APES 猿の惑星」(2001年)