映画「ダークタワー」を見る(感想)

ダークタワー THE DARK TOWER
2017年 アメリカ 95分
監督:ニコライ:アーセル
原作:スティーヴン・キングダークタワー
出演:ガンスリンガー/ローランド・デスチェイン(イドリス・エルバ)、黒衣の男/ウォルター・オディム(マシュー・マコノヒー)、ジェイク・チェンバース(トム・テイラー)、アラ(クローディア・キム)

異次元世界のヒーローと現代の超能力少年が世界を壊そうとする幻術使いの男と戦うSFファンタジーアクション。
中間世界と呼ばれる異次元空間にダークタワーという黒い塔があって、世界を支えている。塔を破壊しようとする男ウォルターと塔を守る使命を持つ男ローランドとの戦いに、根本世界(現代)の超能力を持った少年ジェイクが巻き込まれる。
ローランドは、最後のガンスリンガーである。ガンスリンガーとは、塔を守る使命を帯びた騎士のようなものらしく、剣の代わりに銃を武器とする。アーサー王の剣エクスカリバーから作った拳銃、旧式の45口径リボルバーを何丁も身に着けていて、すばらしい銃撃の技を見せる。早撃ちもさることながら、瞬時にして弾を込める技がすごい。
対するウォルターは、幻術を使う。彼が一言命じれば、人は自分の意志に反して、人を殺し、自分を殺す。(だが、ローランドにはこの幻術が効かない。)彼は、超能力を持った子どもを拉致してきて、その力を利用して塔を破壊しようともくろんでいる。
ジェイクは、現代のニューヨークで暮らす少年だが、夜ごとに中間世界の夢を見ていた。彼が精神に異常をきたしていると考える母と継父は、施設に預けようとする。しかし、迎えに来た二人の男女は、施設のスタッフを装ったウォルターの部下であった。
彼を中間世界に拉致しようとする彼らの手を振り切ったジェイクだったが、異世界間移動ができるポータルの場所をつきとめ、中間世界へ入る。荒野でジェイクは、ローランドに出会う。圧倒的な勢いを振るうウォルターに父を殺され、最後のガンスリンガーとなったローランドは、塔を守るという使命がもはや達成不可能であると諦め、ただ復讐のためだけに生きているのだった。
スティーブン・キングの同名の原作も読んでみようかなと思ったら、全7巻、文庫本では2巻目以降は上下巻あるいは上中下巻からなるという壮大な物語だと知って、読む気力が失せてしまった。そのようなものを映画はたった95分のシンプルな活劇にしちゃったもんだから、原作ファンには評判がよくないようだ。
しかし、わたしとしては、ガンマンと少年が知り合い、ふたりで悪いやつをやっつけるという話になっているのが、すっきりとしてわかりやすく、おもしろかった。母を失ったジェイクが、復讐のみに駆られるローランドをいさめるところなど泣かせる。空き缶を並べて、ローランドがジェイクに銃の撃ち方を教えるシーンもなつかしくていい。ローランドが唱える「我々は手で撃たない。心で撃つ。」云々のガンスリンガーの信条も、フォースとか、東洋武術とかを思わせるようで興味深かった。