映画「カメラを止めるな!」を見る

カメラを止めるな!
2018年 日本 ENBUゼミナール 96分
監督・脚本:上田慎一郎
出演:濱津隆之(日暮隆之)、日暮真央(真魚)、日暮晴美(しゅはまはるみ)、神谷和明(長屋和彰)、松本逢花(秋山ゆずき)、細田学(カメラマン役。細井学)、山ノ内洋(助監督役。市原洋)、山越俊助(録音マン役。山崎俊太郎)、古沢真一郎(ゾンビ・チャンネルのラインプロデューサー。大沢真一郎)、笹原芳子(ゾンビ・チャンネルのテレビプロデューサー。竹原芳子)、吉野美紀(AD。吉田美紀)、栗原綾奈(AD。合田純奈)、松浦早希(撮影助手。浅森咲希奈)、谷口智和(カメラマン。山口友和)、藤丸拓哉(録音マン。藤村拓矢)、黒岡大吾(監督役。イワゴウサトシ)、相田舞(メイク役。高橋恭子)、温水栞(特殊メイクスタッフ。生見司織)
★犯人は出てきませんが、どんな映画なのか、内容をバラしています。構成を前もって知るとおもしろさ半減とも思えるので注意!★















大ヒットの映画製作もの映画。
冒頭、長回しによる、低予算の自主製作っぽいゾンビ映画が始まる。ゾンビ映画製作中に、ほんとにゾンビが出てきて俳優、スタッフがゾンビに襲われ、ゾンビになっていく、というホラーである。首や腕がぶった切られて血が飛びまくるが、お金がかかってないので、そんなにはえぐくない。

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この短い映画が終わり、そのあと、これは映画でなくテレビドラマでそれもワンカット生放送という無茶な企画のものだったことがわかり、そしてそれがどのようにつくられたかという裏話へと続く。なんか普通のホームドラマ風になったかと思ったら、続いて先のドラマ製作現場に移り、ここからが愉快。本編中感じた変な間とか、変なアングルとか、ちりばめられた伏線がビシバシ回収されていくのが小気味よい。
監督が監督役とならざるを得ない状況に乗じて女優と男優に対し、日ごろのうっぷん晴らしのようにアドリブで罵声を浴びせたり、元女優の監督の奥さんの護身術の掛け声がやたら「ぽん」「ぽん」フレームの外からも聞こえるほど出てきたり、最後は、壊れた機材の代わりに人間ピラミッドで俯瞰ショットを撮ったりなど、笑いあり、アクションあり、クリエイターの意地あり、そして父と娘の家族の絆あり、と、バランスよく充実している。
誰もが映像の作り手の心意気を感じられるようにできているのだった。

カメラを止めるな!  [DVD]

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