映画「DUNE/デューン 砂の惑星」を見る(感想)

DUNE/デューン 砂の惑星 DUNE PART ONE
2020年 アメリカ 155分
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
原作:「デューン 砂の惑星フランク・ハーバート
出演:
ポール・アトレイデス(ティモシー・シャラメ)、ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)、レト・アトレイデス侯爵(オスカー・アイザック)、ガイウス・ヘレネ・モヒアム(ベネ・ゲセリットの教母。シャーロット・ランプリング)、ダンカン・アイダホ(ジェイソン・モモア)、ガーニイ・ハレック(ジョシュ・ブローリン)、ユエ医師(チャン・チェン
ハルコンネン男爵(ステラン・スカルスガルド)、ラッバーン(ハルコンネンの甥。デイヴ・バウティスタ
スティルガー(フレメンのリーダー。ハビエル・バルデム)、チャニ(ゼンデイヤ)、ジャミス(バブス・オルサンモクン)

★注意! 映画の内容(すじがき)について書いています。★

 

原作は読んだことがなく、デヴィッド・リンチ監督による映画も見ていないので、なんの予備知識もなく見た。専門用語がいろいろ出てきて戸惑う。香料、フレメン、砂虫(サンドワーム)などは比較的すぐわかるが、「ベネ・ゲセリット」(特殊能力を持つ女性による秘密結社らしい)、「クウィサッツ・ハデラック」(ベネ・ゲセリットが育て配下に置くことを望む万能の能力者のことらしい)などは検索しないとわからない。

宇宙帝国の皇帝が宇宙に君臨している、西暦1万なん年かの遠い未来の話。
惑星アラキスは、人間が暮らすには過酷な条件の星だった。星全体に砂漠が広がっているため、日中の地上は灼熱の地獄となり、しかも砂の中には砂虫(サンドアーム)と呼ばれる巨大な生物が生息していて人を襲う。しかし、アラキスは、帝国になくてはならない物質「香料」(原語はspice。麻薬のような成分も含まれるらしい)の希少な産地であるため、発掘精製をするための施設を置き、管理者を派遣していた。また、アラキスには、フレメンと呼ばれる先住民族がいて地下に町を作って暮らしていた。レト・アトレイデス侯爵は、前任者ハルコンネン男爵に替わり、アラキスでの任務を命じられる。レトは、ジェシカ(正室ではないらしい)と息子のポール、及び配下の者たちを伴ってアラキスに赴き、フレメンと友好関係を築きながら、香料の発掘作業を進めていこうとする。
が、ハルコンネンの陰謀により、レトは命を落とし、ジェシカとポールは砂漠に逃れてフレメンと合流し、起死回生を誓うのだった。というところで、「つづく」となる。
ジェシカは、「ベネ・ゲセリット」という秘密組織に属し、声で人を操る特殊能力を持つ。幼いころから彼女に「訓練」されてきたポールには、予知夢を見ることで未来を知る能力が芽生えつつある。彼の夢の中に何度も出てくる女性は、フレメンのチャニという女性で、映画の最後の方でやっとポールは彼女に出会う。

主役のシャラメのイケメンぶりが話題をさらっていて確かに悪くはないが、私としては、彼が兄のように慕う兵士ダンカンがよかった。ポールを守る姿は弁慶のようであり、戦いぶりは三国志に登場する豪傑のようであった。本作だけで姿を消してしまうのがとても残念である。
妻を人質に取られ不本意ながら主人のレトに毒を盛る医師ユエもなかなかよかった。彼の画策により瀕死のレトはハルコンネンを巻き込んで自爆するが、ハルコンネンはしぶといのだった。(彼が反重力装置で宙に浮くのは肥満のあまり自分の体重を支えられないためだと検索して説明を読めばわかるのだが、映画だけ見てもよくわからない。)
しかし、この映画の主役はなんといっても砂漠だろう。茶系色のみの単調な画面が続き、灼熱の中、ざらざらとした砂粒が身体にこびりついてくる感じが伝わってきてなんとも息苦しいが、紋様のついた砂漠が画面いっぱいに広がる荒漠たる風景に圧倒される。砂虫が襲ってくる場面も迫力がある。
トンボのようなヘリコプターもどきの羽ばたき機は「風の谷のナウシカ」(1984)に出てくる飛行機械を思わせ、砂虫は、「トレマーズ」(1989)のグラボイスのようであるが、いずれも原作小説(1965)の方が先なのだろう。砂虫は、ナウシカのオームのようでもあるという感想も聞くが、しかし、形状的には「ゲゲゲの鬼太郎」に出てきて、水木しげるの「妖怪事典」にも載っている野づちを思わせ、これは日本古来の妖怪なのだった。

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』オフィシャルサイト 大ヒット上映中!

 

 

 

 

 

 

 

 

映画「最後の決闘裁判」を見る(感想)

最後の決闘裁判  THE LAST DUEL
2021年 アメリカ 153分
監督:リドリー・スコット
脚本:ベン・アフレックマット・デイモン、ニコール・ホロフセナー
原作:エリック・ジャイガー「決闘裁判 世界を変えた法廷スキャンダル」
出演:ジャン・ド・カルージュ(マット・デイモン)、ジャック・ル・グリ(アダム・ドライバー)、マルグリット(ジョディ・カマ―)、アランソン伯爵ピエール2世(ベン・アフレック)、シャルル6世(アレックス・ロウザー)、ニコル・ド・カルージュ(ジャンの母。ハリエット・ウォルター)、クリスピン(マートン・ソーカス)、ロバート・ティボヴィーユ卿(マルグリットの父。ナサニエル・パーカー)

★注意! 決闘の結果など、映画の内容に触れています。★

 

中世のフランスが舞台。騎士たちの男の戦いの映画かと思ったら、どうやら「羅生門」らしいと聞いて、それなら、男女の愛憎が入り混じった愛欲の人間ドラマなのかと思ったら、性犯罪を巡る現代的な女性目線の映画だった。
暗い映画だよと見た人から聞いていたので覚悟して見たのだが、見応えは充分あった。鎧兜をまとっての決闘シーンは迫力があり、中世の衣装や城の内外など、重厚な画面を楽しめた。

騎士カルージュの妻マルグリットが、従騎士ル・グリに強姦されたと夫に告げ、夫は国王に訴えて裁判が行われる。しかし、裁判では決着がつかず、男二人が決闘することになるという話。

ジャン・ド・カルージュは、生まれは高貴で強くて勇敢な騎士だが、芸術や文学には疎く、女性の扱いに慣れていない武骨な男だ。一方、従騎士ジャック・ル・グリは、貧しい境遇からのし上がってきた男、聖職者を目指していたためラテン語を解し、芸術や文学に詳しく、男前で女性にもてる。一帯の領主である伯爵ピエールは、田舎者のジャンを嫌い、スマートで洗練されたジャックがお気に入りである。戦闘でジャンはジャックの命を救い、二人は友人同士だったが、ピエールがジャックを厚遇し、ジャンのものになるはずだった土地を与え、ジャンが父の死後受け継ぐはずだったカルージュ家の役職にジャックを任命する。そうしたことが重なり、事件が起こる前から二人の男の間には亀裂が生じていた。

映画では、まずジャンの視点から、ついでジャックの視点から、最後にマルグリットの視点から、事件前後のそれぞれの事情と事件の場面(ここは当事者の二人によるもの)が描かれ、後半は、裁判と決闘のシーンとなる。
愛する妻の名誉を守るため卑怯な仇敵と戦う騎士というクラシックな男気の映画を期待すると違うし、三人の男女が違うことを言い張って真実は藪の中に、というのとも違う。
羅生門」では、3人の言うことが明らかに食い違っていて、幽霊も嘘をつくのかと驚いたものだ。だが、この映画では問題となる一件について、夫のジャンはその場にいないし、当事者の二人の言うことは大筋では矛盾していない。ジャックが襲ってきたとき、ジャック目線では、マルグリットは助けを求めて人の名(使用人はいないはずなので侍女の名ではないと思うのだが誰の名だったか未確認)を1回だけ呼ぶが、マルグリット目線では何度も叫ぶ。マルグリットがジャンに告白したとき、ジャン目線ではすぐマルグリットを抱きしめるが、マルグリット目線ではジャンはそうはしない。ほかにもあったと思うが、共通場面については、語る側が無意識にせよ意識しているにせよ自分や相手の言動のちょっとした部分に違いがあると言った感じである。

決闘で優勢になったジャンは、ジャックに真実を告げるよう迫るが、ジャックはあれは強姦ではないと言い張る。それは、嘘というよりはそう信じ切っているようにも見える。ジャンは、そういうことはわからないからマルグリットに対しての疑惑は消えない。男たちについて言えば、負けた方は悲惨だが、勝った側も晴れ晴れとはならない。決闘に勝ったのに喜べないヒーローというのは珍しい。磔を免れ、息子(ジャックの子である可能性大である)を育てて長生きしたマルグリットが結果的に勝者ということになるのだろうか。
女性は絶頂に達しないと妊娠しない、姦淫では妊娠しない、決闘に勝った方が真実を言っていると神が判断したとするなど、中世の理不尽な価値観に驚くが、性犯罪やセクハラ問題における男女の意見の食い違いは今も変わらずと思うと、男女間の深い溝をいまさらながら目の当たりにするような気がした。

 

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西部劇「ハーダー・ゼイ・フォール」を配信前に映画館で見る(感想)

ハーダー・ゼイ・フォール 報復の荒野  Harder They Fall
2021年 アメリカ Netflix 138分
監督:ジェイムズ・サミュエル
出演・ナット・ラブ(ジョナサン・メジャース)、ステージコーチ・メアリー/メアリー・フィールズ(ザジー・ビーツ)、ビル・ピケット(エディ・ガテギ)、ジム・ベックワース(RJ・サイラー)、カフィ(ダニエル・デッドワイラー)、バス・リーブス保安官(デルロイ・リンド)、
ルーファス・バック(イドリス・エルバ)、トゥルーディ・スミス(レジーナ・キング)、チェロキー・ビル(ラキース・スタンフィールド)
ワイリー・エスコー(保安官兼町長。デオン・コール)

Netflix配信前の映画館での上映で見る。
出演者が黒人ばかりの西部劇である。予告編を見ると、ラップ音楽バックに、無法者が非情に銃を撃ちまくる場面が立て続けに映るので、スタイリッシュなPVみたいな映画かという印象を持ったのだが、映画館で西部劇を見られる機会なので、上映最終日に見に行く。
まっとうな復讐ものウエスタンだった。家族を殺された男がナット・ラブと名乗るギャングのボスとなる。ギャングはいったん解散するが、収監されていた仇敵のルーファス・バックが出獄したことを知って復讐を決意、仲間も再び集まってきて、ギャング対ギャングの対決となる。
敵味方それぞれの一味の面々がよい。ナット・ラブ演じるジョナサン・メジャースは特にかっこいいいわけではなくそのへんにいる気のいいおじさんのような風貌だがそれで無法者というのが逆にいいかも、やり手の女店主で元カノのメアリ、ライフル使いでクールなビル・ピケット、早撃ち自慢の陽気な若者ジム、小柄な若者だけど敏捷で銃にも喧嘩にも強いカフィ(実は・・・)、ナットのことをよく知っているベテラン保安官のリーブスなど。対するルーファス・バック団は、ルーファスもかっこいいが、その片腕の女トゥルーディがてきぱきしていて気に入った。チェロキー・ビルは早撃ちで知られるガンマン、陽気なジムとは対照的に陰気で冷酷だ。
映画に出てくるのはほぼ黒人で、店や町も黒人ばかりである。護送列車からのルーファスの脱走(釈放)シーンには警備の騎兵隊員たちが、ナット・ラブの一味が大金を得るため襲う白人の銀行内には白人がたくさん出てくるが、みんな端役扱いだ。この銀行強盗は、カフィが活躍、痛快なシーンとなっている。
最後はギャング対ギャングの激しい銃撃戦が展開。ナットとルーファスの対決はこう来たかという感じでなかなか衝撃的だ。
音楽のことは本当によくわからないので説明できないのだが、ラップはほとんど聞かれず、どちらかというとレゲエっぽい感じの曲がかかったり、あきらかに黒人音楽かかりまくりではあると思うのだが、違和感がなかった。
ちょっとマカロニ風味で、重厚感があり、かといって暗くなりすぎず、よかったと思う。

タイトルは、ジミー・クリフの有名な唄「ハーダー・ゼイ・カム」の一節から来ているものと思われる。
Harader they come, harder they fall, one and all
(奴らがひどいことをすればするほど、奴らはひどい死に方をする、そろいもそろって、と言ったような意味だったと思う。

映画の冒頭、「物語はフィクションだが、人物は実在した」と字幕が出る。日本では、ビリー・ザ・キッドや、ジェシー・ジェームズほど有名ではないが、アメリカでは知られている人物が揃っているようだ。ただし、有名人を集めてみたという感じで、字幕の示す通り、物語自体は事実無根のようだ。西部劇仲間が教えてくれたので、受け売りで記す。(goghさん、Tさん、ありがとうございます。)
ナット・ラブ:有名な黒人のカウボーイ。ルーファス・ギャングとのつながりは見られず。
ルーファス・バック:実在のギャング。一味は、黒人とインディアンの混成ギャングだったらしい。
チェロキー・ビル:母親がチェロキー族と黒人の混血のため、インディアン・アウトローとして知られる。フォートスミスで絞首刑になった。
メアリー・フィールズ(ステージコーチ・メアリー):黒人女性初の郵便配達人。
ビル・ピケット:黒人のカウボーイでロディオパフォーマー。ワイルド・ウエスト・ショーや無声映画にも出演していたそうだ。
ジム・ベックワース:19世紀初めの黒人のマウンテンマン。ルーファス・ギャングと時代的に重ならず。

www.netflix.com

映画「ベイビーわるきゅーれ」を見る(感想)

ベイビーわるきゅーれ
2021年 日本 渋谷プロダクション 95分
監督・脚本:阪元裕吾
アクション監督:園村健介
出演:杉本ちさと(高石あかり)、深川まひろ(伊澤彩織)、渡部(三元雅芸)、浜岡ひまり(秋谷百音)、浜岡一平(本宮泰風)、浜岡かずき(うえきサトシ)、姫子(福島雪菜

★映画の内容について書いています★

ちさととまひろは、十代の女の子二人組の殺し屋。二人は、高校を卒業後、同居して、本業とは別にアルバイトをして普通の社会人としての素養を身に着けるよう、「会社」から指令を受ける。
人殺しに精を出す傍ら、慣れないバイトに四苦八苦する二人。銃の扱いがうまく、陽気なちさとと、格闘技に長け、口下手でコミュ障のまひろの二人の対照がよく、血しぶきが飛び散る荒仕事をこなす一方で、面接やバイトでいやな目に遭い、ささいなことで喧嘩をして気まずくなったりとごくありがちな青春を送る日々が描かれる。
殺し屋とふつうの生活というギャップのおかしさは、そう目新しいものではない。最近では「ファブル」があるし、「モンタナの目撃者」の殺し屋二人組もそういうところがあった。ビジネスとして成立している死体処理屋は「パルプフィクション」で最初に見たと思う。ここでは、殺し屋が若い女の子である点がポイントとなっているのだろう。
が、女の子好きにはおもしろいのだろうが、だんだんちょっと飽きてくる。ちさとが高い声できゃあきゃあ言うと何言ってるかわからないし、まひろが口の中でぼそぼそいうぼやきも聞き取りにくい。メイド喫茶もいまさらという気がする。
とにかくアクションシーンがよい。少女がプロの殺し屋という設定のアクション映画と聞くと、この娘は強いのだという設定に頼った割としょぼいアクションを見せられるのではという予感をぬぐえないのだが(いや、映画はそれはそれでいいと思うのであるが)、これはそれを裏切ってくれたと思う。
ちさとの銃さばき、特にメイド喫茶での瞬殺はかっこよかった。が、なんといってもまひろの格闘シーンがいい(まひろ役の伊澤彩織はスタントウーマンだそうだ)。いくら女の子が強い設定でも、ちょいと肘鉄かましたり、片足でちょこっと蹴っただけで大の男が吹っ飛ぶか?といった違和感がない。壁に背をつけて両足で蹴れば、男が吹っ飛んでもそうかもと思える。抱え込まれると小柄な身体で敏捷にするりと抜け出し、組み伏せられると相手から奪ったナイフでガシガシ刺しまくる。冒頭とラストと2つのシーンで男たち相手の立ち回りをたっぷり見せてくれる。さんざん戦った後で、「疲れた」とだるそうにぼやく。痛快だ。

映画「ベイビーわるきゅーれ」二人は殺し屋その正体は監督:阪元裕吾 主演:高石あかり,伊澤彩織

映画「嘘つきジャンヌ・ダルク」を配信で見る(感想)

嘘つきジャンヌ・ダルク 第一部・第二部・第三部   コロナ下で映画をつくる vol.2
2021年 日本 58分(3部合計)  YouTube公開
製作:映画美学校 フィクションコース高等科第23期コラボレーション作品
監督(第三部)・監修(第一部・第二部):高橋洋
出演:ジャンヌ・ダルク(太田恵里佳)、カトリーヌ(小林未歩)、シャルル/レイモン/コーション司教(巴山祐樹)、イザボー・ド・バヴィエール(浅田麻衣)
●第一部 羊飼いの娘 21分
監督:福井秀策
脚本:高橋洋
演出:雉子波佑、倉谷真由
●第二部 乙女の剣で死ね 17分
監督:倉谷真由
脚本:倉谷真由 高橋洋
演出:内藤悟 根岸摩耶
●第三部 神さまはひとりぼっち 20分
監督:高橋洋
脚本:高橋洋、福井秀策、倉谷真由
演出:福井秀策 倉谷真由

ジャンヌ・ダルクについては全く詳しくないのだが、わたしはその名を聞くと痛々しいものを感じてしまう。こどものころ初めて彼女のことを知った時は、なんてかっこいい!と思ったが、後に火刑に処されたと知り、死んだ後も女戦士というよりも処女や巫女に強い関心を抱く古今東西の研究者や作家たちにいいように論じられ描かれてきたことを思うと痛ましさを感じざるを得ないのだ。

で、このたびも「嘘つき」呼ばわりされるジャンヌ・ダルクというテーマについては複雑な思いなのだが、映画は独自の世界でなかなかおもしろかった。「コロナ下で映画をつくる vol.2」というシリーズ名が映画の内容を補足している。コロナ下で撮ったから、ロケもできないし、人もたくさん出せない中で、いろいろ頭をひねって考えたんだなと思うと、奇抜な画面も受け入れやすくなる。

映画美学校内のバルコニーや廊下や階段を舞台に使い、壁面映写を駆使して、時にスタッフも巻き込みながら、音で盛り上げ、独自の世界を描く戦法である。
冒頭、木々の向こうに草原が広がる田舎の風景をバックに羊飼いの娘のかっこうをしたジャンヌが歌いながら歩いているカットは昔懐かしいスクリーンプロセスによる撮影、画面が引いて壁に田舎の風景が映写された室内の様子が全面に示されると一気に小劇場のお芝居風(見たことないけどゲキ×シネ風か)になり、ジャンヌの友人カトリーヌが登場して床に映された草原の上に横たわるとプロジェクション・マッピングといった感じになる。

以後、映画はこうした手法を次々に繰り出して展開する。鉄製のバルコニーを利用した群衆シーンや、ジャンヌの白い服に炎を映し出す火刑のシーンなどなど、できうる限りのアイデアと技術を駆使して、奇妙だが見応えのある画面を作り上げていたと思う。
しかし、個人的にもっとも好きなのは、ごくシンプルな、ジャンヌが馬を駆るカットだった。アップで身体を(カメラを?)それらしく揺らして馬の蹄の音を入れれば、騎乗の人となる。映画らしいカットだと思った。

ジャンヌとカトリーヌのコンビがいい感じだった。「20世紀少年 第2章 最後の希望」の平愛梨木南晴夏をちょっと思い出した。

 

TOP | 映画『うそつきジャンヌ・ダルク』&『愛と嫉妬のパンデミック』公式サイト

中華SF三部作の完結編「三体Ⅲ 死神永生」を読む(感想)

三体 Ⅲ 死神永生
劉 慈欣著(2010)
大森望、ワンチャイ、光吉さくら、泊功訳 ハヤカワ書房(2021)

★後の方にあらすじを書いています。ネタバレしてます!★

 

中華SF三部作の最終話。
前2作は地球と三体世界との話だったが、第3作はもはや2つの星の間の戦争と平和の枠を大幅にはみ出し、文字通り次元を超えて宇宙の興亡にまで及ぶ、壮大なバカSFとなっている。

「三体Ⅰ」を読み終わったときに、三部作ではあるが、ひょっとして一番面白いのはⅠかもしれないという予感がした。私の感想としてはそれは確かに的中してしまったのだが、だからといって後の2作が面白くなかったということではない。たとえて言えば、映画「ジュラシック・パーク」シリーズで、生きている恐竜をタイムトラベルでなく「今」この時代に復活させ、ゆうゆうと動く姿を初めて目の当たりにしたときの驚き、わくわく感が飛びぬけていたように、Ⅰにおける突拍子もない異星人とのやりとり、壮大すぎる物語の規模など、「三体」シリーズ全体を貫く斬新さに度肝を抜かれたということだと思う。「黒暗森林」も「死神永世」もその稀有な物語を受けて、さらに予想外の強烈な事態が一転二転して展開していき、ついていくのが大変だった。

登場人物についていえば、やはり最も強烈なのは、「三体Ⅰ」で登場した葉文潔(イエ・ウェンジエ)だろう。それに比べると本巻の主人公程心はだいぶ普通だ。彼女のような若い娘に地球の、ひいては宇宙の存在の責任を負わせると言う発想は、筆者は美女に恨みでもあるのかと思うくらい酷な話だが、それにしても彼女は常に受け身で精彩に欠ける。
程心のファンで、ずっと彼女に付き従うAAの方が個性的で愛らしく、また、ある時はたおやかな和服美人、ある時は非情な戦闘員(迷彩服に身を包み、騒ぎを起こす保留地の地球人を日本刀で袈裟斬りにぶった切る)として姿を現す智子(ソフォン)制御による人型ロボット「智子」(ともこ)の方がよほど魅力的である。
唯一成功した面壁者であり最初の執剣者である羅輯は、地球興亡の鍵を握ることから身を挺して地球を守っているにも関わらず人々から嫌われ、凡庸だけど若くてきれいな程心はみんなから好かれ愛されているというなんとも皮肉な事態が示されるが、世の中そんなものかもしれないと思わせ妙に説得力がある。百歳を超える白髪の老人羅輯は、すべてを受け入れ、仙人のようになっている。

「死神永生」は、上巻だけでめまぐるしく「紀元」が変わり、読む方も、程心と同様に百年単位のタイムスリープをして、変貌する時代の要所要所を垣間見るだけなので、二転三転する展開とその都度出てくる新しい概念になかなかついていけない。語り口も歴史の教科書のような筋立てだけの文章が続き、合間に語られるものとしては、危険な男トム・ウェイドと程心の会話や、和服美人のときの智子(ともこ)とのお茶会や、「藍色空間」と「万有引力」の不可思議な異次元体験、オーストラリア移民計画の悲惨な状況などが印象に残る。下巻は、最初に天明と程心との面会があり、そのあとけっこうな分量で天明のおとぎ話が語られ、下巻後半は、掩体世界の様子や冥王星の「博物館」での羅輯と程心との最後の会話、宇宙空間に出現した小さな「紙」から始まる突拍子もない宇宙の二次元化、DX3908星系への旅、さらにそこからの1890万年未来への旅、そして宇宙の終焉と、ダイナミックな展開が駆け足で語られる。

天明と程心は、結局直に再会することがかなわなかった。三体人がどんなビジュアルだったのかもわからずじまいである。

どうも小説としてのバランスはうまく取れてないように思えるのだが、そんなことは大した問題ではないと思って読み進めてしまうのは、やはり、この身も蓋もないとも言える、はかりしれない壮大なスケール感のせいだろう。

 

<あらすじ> 
第2作「黒暗森林」のラスト、羅輯(ルオジー)の活躍によって、地球は三体人の襲撃を回避したが、本作はそれよりちょっと前の時代から始まる。
以下にざっと流れを記す。
(※覚えていることを書いたので、抜けている部分もいろいろあるかと思います。大雑把なところとやけに細かいところがあるのは、自分で覚えておきたい細部にこだわったためです。)

●階梯計画
プロローグ的なビザンチン帝国の崩壊の際に現われた空間移動する謎の女性についてのエピソードの後、時代は危機紀元初期、面壁計画と並行して進められた「階梯計画」についての経緯が語られるところから「死神永生」は始まる。
PIA(国連惑星防衛理事会戦略情報局)長官のトム・ウェイドは、三体艦隊に地球人のスパイを送り込むための計画を進め、技術企画センター室長補佐となったばかりの新米女性アシスタント程心(チェン・シン)の提案を受け入れる。しかし、人ひとりの重量を送ることは技術的に不可能なことから、トム・ウェイドは「脳」だけを送ることを思いつく。脳を選ばれたのは、不治の病に罹り余命いくばくもない青年、雲天明(ユン・ティエンミン)。
程心にとって彼は大学時代の知り合いの一人だったが、天明はずっと程心に片思いをしていた。人づきあいが苦手で孤独な青年だった彼は、過去のアイデアを買われ思いがけない大金を手に入れると、匿名で程心に恒星(DX3906)をプレゼントする。程心は贈り主不明の巨額のプレゼントをなんの抵抗もなくありがたく受け取ったが、それが天明であることを知るのはずっと後になってからのことだ。ただ知り合いだということで程心は深く考えもせず天明を階梯計画の候補者に推薦し、天明は異星人たちに捕獲された脳だけの自分がどんな目に遭わされるのだろうという深い恐怖を抱き、自分を推薦した程心の真意を測りかねつつも、愛する程心の意向を受け入れ、階梯計画への参加を承諾する。が、天明(の脳)を乗せた階梯探査船は宇宙に送り出された後、事故で軌道を外れ、行方不明となってしまう。程心は、階梯計画を知る人物として未来で必要とされるときまでタイムスリープすることとなる。

●執剣者の交代と抑止紀元の終わり
それから260余年後の抑止紀元61年、程心はタイムスリープから目覚める。時代は「抑止紀元」に入り、三体人との文化交流が進み、人類は平和な時代を送っていた。程心のファンだという若い女性艾AA(あい・えいえい)が、彼女の世話をして抑止世界を案内する。彼女はこのあと永きに渡ってずっと程心に寄り添うこととなる。平和な世界では、男性は女性化して美しくやさしくなっていた。程心の知る「男」は、タイムスリープから目覚めた彼女と同時代の男たちだけだった。が、その平和は、羅輯が「執剣者」となり、「三体」の位置を全宇宙に向かって送信するための重力波装置のスイッチをいつでも押すことができる立場にいるからという、危うい均衡の上に成り立っていた。ボタンを押せば三体世界は暗黒森林攻撃によって破壊されるが、同時に地球の位置も全宇宙に知られることとなり、いずれ地球も破壊されることとなる。長い目でみれば共倒れだが、そうなるのは何百年も先のこと、少なくとも今生きている人々は平和な時代に一生を終えることができるのだ。
その羅輯も百歳を超え、「執剣者」の交代の時期に来ていた。程心はトム・ウェイド他旧世代の男性の候補者たちを退け、地球の人々から望まれて新しい執剣者となる。が、彼女が執剣者になるやいなや、三体世界は襲撃を開始する。羅輯は抑止解除の重力波送信ボタンを押す可能性が大きかったが、若く心優しい程心に(260年のタイムスリープを経たとはいえ彼女は実年齢20代後半の女性である)ボタンは押せないだろうという可能性に、三体人は自分たちの運命を賭けたのだった。その決断は功を奏し、程心はボタンを押せないまま、三体人の攻撃が始まり、地球上と宇宙空間に配備された重力波送信装置は「水滴」により、破壊されてしまう。三体人は地球を支配下に置き、艦隊到着までにほとんどの地球人をオーストラリアに移住させ、地球人保留地とする計画を進める。

万有引力と藍色空間、四次元世界との接触重力波の送信
一方、宇宙空間には2つの宇宙戦艦が存在していた。終末決戦で生き残り暗黒戦争を経て地球を捨て、新たなる居住星を求めて宇宙を行く<藍色空間>とそれを追う<万有引力>の2艦だ。2つの宇宙船は四次元世界との接触という稀有な体験をする。
程心が執剣者となり、2艦に向けて発射された「水滴」はしかしその進路がわずかに逸れ、2艦は破壊を免れる。<万有引力>には重力波送信装置が組み込まれており、唯一残った装置から三体世界の位置が全宇宙に向けて送信される。

●送信紀元
送信紀元3年に三体世界は暗黒森林攻撃によって破壊される。
送信紀元7年、雲天明と程心はリモートで会合する。階梯計画で宇宙をさまよっていた天明の脳は、三体艦隊(故郷の星を発ち地球に向かっていたため破壊を免れた三体人たちが乗っている)に収容された。天明は、彼らによってクローンの身体を与えられ、程心が階梯探査船に入れておいた小麦などの植物の種から食料を得て、個体の人間として再生していた。
三体人による厳しい検閲の中、天明は人類が生き延びるための方法を伝えようとして、程心にあるおとぎ話を語る。それは「王宮の新しい絵師」「饕餮(とうてつ)の海」「深水王子」の3つの物語からなり、「ホーアルシンゲンモスケン」という奇妙な響きの国の名が何度も繰り返し出てきた。専門家による解読は難航したが、程心は、天明が程心との思い出の紙の船から、曲率推進(空間を折る技術)を利用した光速宇宙船の開発を示唆していることを悟る。人類は、将来起こるであろう「攻撃」に対し、生き延びるため3つの対策、暗黒領域計画、光速宇宙船プロジェクト、掩体計画を検討していた。暗黒領域計画は、ブラックホールの中に地球自ら立てこもり、外界との接触を断ってその中だけで生きること、光速宇宙船プロジェクトは、光速航行技術を開発し選ばれたものが宇宙船で地球から遠く離れて程心の星DX3906の星系を目指す計画で天明が示唆したものである。トム・ウェイドはこの計画を進めるが、程心はこれを阻止する。結局、人類は掩体計画を選択する。掩体(えんたい)とは敵の攻撃を防ぐ突起物のような設備のこと。地球、火星、木星など惑星の陰となる宇宙空間に宇宙都市を建設し、暗黒森林攻撃をかわす計画である。

●掩体紀元
掩体紀元には、それぞれの掩体エリアにいくつもの華やかな宇宙都市が作られていた。
しかし、三体世界を破壊した方法と違い、太陽系の破壊に使われた暗黒森林攻撃は、「低次元化」だった。3次元世界はぱたぱたと2次元世界に折りたたまれていく。程心とAAは、冥王星近くの宇宙空間で宇宙船「星還」から太陽系が「二次元崩潰」によって壊滅していく様を目にする。

●DX3906
二人は、「星還」で天明が程心にプレゼントしたDX3906恒星系に飛ぶ。天明との面会の際、二人はそこでの再会を約束したのだ。しかし、二人がDX3906の2つの惑星のひとつプラネット・ブルーに降り立ったとき、そこにいたのは<万有引力>の乗組員で宇宙研究者の関一帆(グァン・イーファン)だった。監視惑星がアラームを発したため、程心と一帆はAAを残して、光速宇宙船ハンターでもう一つの惑星プラネット・グレイの偵察に飛び立つ。すぐ戻るつもりが、これがAAとの永遠の別れとなる。プラネット・グレイで二人は、「帰零者」(ゼロ・ホーマー、あるいは再出発者(リセッター))が作り出した巨大な真っ黒な5本の柱、デス・ライン(光速航行の航跡)を見つける。<ハンター>でブルー・プラネットの軌道上に戻った二人は、地上のAAから天明の来訪を知らされる。シャトルに乗って降下しようとしたとき、デス・ラインの乱れが二人を取り込む。シャトルの外では時間が一千万倍の速さで進み始める。
二人はシャトルの中で冬眠し、目覚めたとき、シャトルの時間数値は18906416年を指していた。
デス・ラインの乱れは天明の乗った光速船がDX3906を訪れたために生じたものだった。AAと天明の二人はそこで命を全うした。程心と一帆は1890万年後に、プラネット・ブルーの地中に埋まった岩に彫られた文字によってそれを知る。AAが遠い未来の程心に向けて送った手紙、AAと天明は、石に刻んだ文字という最も耐久性のある伝達手段を選んだのだった。
やがて、膨大な種類の言語による「通信」が全宇宙に向けて送られる。宇宙の終焉を告げるメッセージだった。

 

<紀元と西暦>
地球:危機紀元 201X年~2208年
抑止紀元 2208年~2270年
抑止紀元後 2270年~2272年
送信紀元 2272年~2332年
掩体紀元 2333年~2400年
銀河紀元 2273年~不明
DX3906星系:暗黒領域紀元 2667年~18906416年
宇宙♯647時間線:18906416年~

<登場人物>
程心(チェン・シン):航空宇宙エンジニア。PIA技術企画センター室長補佐・航空宇宙技術アシスタント、2代目執剣者。
羅輯(ルオジー):唯一成功した面壁者。執剣者。
トム・ウェイド:PIA長官。2代目執剣者の候補のひとり。犯罪者。光速宇宙船プロジェクト推進者
ミハイル・ヴァデイモフ:PIA技術企画センター室長
天明(ユン・ティエンミン):程心の大学時代の同級生。階梯計画要員。
フレス:アボリジニの老人
艾AA(あい・えいえい):天文学博士課程大学院生 → 星環グループCEO 
ジョゼフ・モロヴィッチ:<万有引力>館長
ウェスト:<万有引力精神科医
関一帆(グァン・イーファン):<万有引力>民間の宇宙論研究者
ジェイムズ・ハンター:<万有引力>調理管理官
猪岩(チュー・イェン):<藍色空間>艦長
曹彬(ツァオ・ビン):執剣者候補。理論物理学者。
アレクセイ・ワシリンコ:太陽系連邦宇宙軍中将。<啓示>第一探査分隊指揮官
白Ice(バイ・アイス):理論物理学者。<啓示>第一探査分隊技術責任者
高Way(ガオ・ウェイ):環太陽加速器ブラックホール・プロジェクト最高科学責任者
智子(ヂーヅー、ちし、ともこ):三体世界から送り込まれた、智子(ソフォン)に制御される人型ロボット

 

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映画「モンタナの目撃者」を見る(感想)

モンタナの目撃者 THOSE WHO WISH ME DEAD
2012年 アメリカ 100分
監督:テイラー・シェリダン
出演:ハンナ(アンジェリーナ・ジョリー)、コナー(フィン・リトル)、イーサン(ジョン・バーンサル)、アリソン(メディナ・センコア)、オーウェン(ジェイク・ウェバー)、
ジャック(エイダン・ギレン)、パトリック(ニコラス・ホルト)、アーサー(タイラー・ペリー)

悪事の証拠を持っているため組織から命を狙われている男が、殺される直前に証拠の品を息子の少年に託す。悪事に加担した大物たちは、証拠隠滅のため少年にも殺し屋を差し向ける。逃げる少年に、見ず知らずの女性が救いの手を差し伸べる。
この筋立ては「グロリア」という映画を思い出させるが、「グロリア」では舞台は大都会ニューヨーク、ヒロインは悪の組織のボスの元愛人だったのに対し、こちらでは舞台はモンタナ、ヒロインは森林消防隊のリーダーである。それで物語はだいぶ趣を変える。
山の斜面に広がる針葉樹林、その中にポツンと立つ火の見やぐらの塔、山の中を流れる川など雄大な景観が楽しめるが、追手の殺し屋だけでなく、雷と山火事という大自然の脅威が主人公たちを襲う。
森林消防隊員のハンナは、かつて山火事で風向きを読み違い、3人の若者を死なせてしまったことで心に傷を負っていた。ある日、彼女は、山の中をさまよう少年コナーと出会う。突然父を殺され自分も殺し屋に追われる身となったコナーは、誰かに縋りたいと思う一方、人を信じることに恐怖を抱いている。それに対し、ハンナが「私は信用していい人間だ」と言い切るのがいい。
殺し屋二人組の登場シーン、「仕事」を終えた二人がガスの配管修理でもしてきたようにビジネスライクに話す様子はなかなかよく、ボスの小男のジャックとちょっと男前で長身のパトリックの取り合わせが絶妙だ。
フロリダに住むコナーの父親が頼ろうとしたのは、モンタナで警官をしている義弟のイーサンである。イーサンはハンナの元彼であり、妻のアリソンは子供を身ごもっている。殺し屋二人は、家に一人でいたアリソンを襲う。アリソンはひどい目にあわされてしまうのだろうと思ったら突然反撃に出るので驚く。彼女は思わぬ活躍をしてみせる。
主役のハンナを演じるアンジェリーナはさすがの存在感だが、登場する人たちがそれぞれよい感じだ。山火事の迫力ある画面も見られ、わくわくどきどきしながら楽しめる。

映画『モンタナの目撃者』| 大ヒット上映中!