青なじみ

ずいぶん前、「マシューTV」が深夜に放送していたころの話。「なまり亭」という、タレントのお国じまんと方言についてのコーナーで、磯山さやかがゲスト出演していた。夫は知っていたが、私は彼女自身を知らなくて、ましてや茨城出身であることもその時に知ったのだが、運動会のときにラジオ体操ではなく県民体操をさせられたとか、「お兄ちゃんが結婚するのでこないだ家族でメヒコ(かに料理のレストラン、私がよく連れてってもらったのは茨城から福島にかけての道路沿いにあった)に食事に行った。」という実家のお母さんの話などを聞いて、一気に彼女に対して好感を抱いた。
で、なにを言いたいのかというと、このとき、生まれて初めて「青なじみ」という言葉が、標準語でなく茨城弁だということを知って、驚いたのだ。さやかちゃんも驚いていたが、40越えて初めて知った私の方が、衝撃は大きい。
身体の一部をぶつけたりすると、内出血して皮膚の表面が青くなることがある。あれが、青なじみ。
私は、娘たちが小さい頃から転んだり手足をなんかの角にぶつけたりすると、「青なじみになんなかった?」とか「青なじみになっちゃったねえ。」などと言っていたので、東京生まれの彼女たちも普通に使ってきた。ところが、京都出身の夫に改めて「青なじみって知ってる?」と訊いてみると、なんと「知らない。」という返事。「私、よく言ってんじゃん。」と言っても、「いや、知らない。」の一点張り。「えー、茨城弁なのお。」と、娘たちも動揺を隠せない様子だった。
一般には、「青痣」というのであった。たしかに「あざ」だよね。「なじみ」ってなんだ? 皮膚が青くなじんでるってことなんだろうか。