西部劇探訪記「アリゾナ、ユタ 西部劇の大地を往く」を読む

アリゾナ、ユタ 西部劇の大地を往く
原川順男著(2010年) 
B5判・118ページ、全編カラー、写真豊富

★当初は私家版として出されましたが、市田印刷出版出版からの発行が決まり、2011年4月24日より全国有名書店で販売中!!



著者の原川氏とは、西部劇ファン仲間である。「ウエスタン・ユニオン」というサークルの例会で、毎回映画について語り、お酒を飲む。
彼は、古い西部劇が好きだというだけでなく、今でも劇場に通い、新しい映画を年に何十本も見ている。そうして、よいのもあるが、ひどいものも多いとぼやく、が、ちょっと気になる新しい映画が来るとまた劇場に足を運び、またぼやく。これこそ映画ファンの正しい姿勢、まことの映画ファンである。
そんな著者は、ジョン・フォード監督作品をはじめとする映画の足跡を追って、アメリカ西部のロケ地を何度となく訪れている。この本は、その旅行の記録と豊富な映画資料と深い知識を駆使して生み出された、類稀なる西部劇探訪記だ。
各作品やロケ地についての解説、ジョン・フォード縁の人々の紹介が、歯切れの良い文章で綴られ、そして何より、現地で著者が撮ってきた写真と映画のシーンを並べて解説をしている幾つもの「ロケ地探訪」がすごい。ファンならではの徹底した探究ぶりに、ただただ脱帽するばかりである。巻末の「ジョン・フォードの足跡をたどる」も、あまり知られていない情報の数々が載っていて興味深い。
ファンにとっては、写真を見て楽しい、読んで楽しい、手応えたっぷりの一冊である。

アリゾナ、ユタ西部劇の大地を往く

アリゾナ、ユタ西部劇の大地を往く

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