映画「ラストベガス」を見る

ラストべガス  LAST VEGAS
2013年 アメリカ 105分
監督:ジョン・タートルトーブ
出演:ビリー(マイケル・ダグラス)、パーディ(ロバート・デ・ニーロ)、アーチー(モーガン・フリーマン)、サム(ケヴィン・クライン)、ダイアナ(メアリー・スティーンバージェン)、
ロニー(ロマニー・マルコ。ホテルマン)、ディーン(ジェリー・フェラーラ。若者)、ミリアム(ジョアンナ・グリースン。サムの妻)、エズラ(マイケル・アーリー。アーチーの息子)、リサ(ブレ・ブレア。ビリーの婚約者)、ソフィー(パーディの妻)


青春時代をいっしょに過ごした4人の男が、58年後、ラスベガスに再結集して楽しいひとときを過ごす。マイケル・ダグラスロバート・デ・ニーロモーガン・フリーマンケヴィン・クラインという顔ぶれ始め、何かとゴージャスな、青春ラブコメディ高齢者版である。
70代半ばまで独身を通してきたビリーは、友人の葬儀に出席の際、老い先短い自分の孤独な未来を憂い、30代のガールフレンド、リサにプロポーズする。
ラスベガスで結婚式をするビリーのため、友人のサム、アーチー、パーディが集まる。パーディは、妻のソフィーの葬儀に来なかったことでビリーを恨んでいたが、他の二人に無理やり連れてこられる。
4人は、ホテルのバーで歌う歌手ダイアナと知り合う。ビリーとパーディが彼女に魅かれていく。
いつまでたってもチャラいビリー、最愛の妻の死から立ち直れないパーディ、身体を患い息子からなにかにつけて口やかましく言われるアーチー、日々の暮らしに倦みべガスで羽目をはずしたいサム、4人の老人は、ギャンブルをし、クラブに繰り出し、プールサイドでビキニコンテストの審査員をし、ホテルのスイートに若い娘をたくさん招待して結婚式前夜にパーティを開いてどんちゃん騒ぎをする。パーティ用に服を新調した4人は実にかっこいいおじいさんたちだが、中でも真っ赤なタキシードが似合うフリーマンがすごい。
パーティの間にかつてのソフィーとビリーとパーディの関係が明かされ、ダイアナとビリーとパーディの関係が進展する。一気に昔と同じ状況になる運びは見事である。

老人同士、久しぶりに電話があると、開口一番「前立腺か?」と訊くのが、申し訳ないが、可笑しかった。病気や老いを笑い飛ばすユーモア感覚がいい。
冒頭、ラスベガスの街の様子が出てきたときに、昔なつかしいカウボーイとカウガールのネオンサインがちらっと映ってうれしかったが、さすがに古びていて、それはちょっとさびしかった。
物思うデ・ニーロが、夜のべガスの街を行くカット。両手を腰にかけてちょっとうつむいて歩く様子は、「タクシードライバー」の有名なスチール写真を思い出した。

セリフを二つ引用。

Billy: We were 17, you now, five minutes ago.
ビリー「おれたちは17歳だった。5分前まで。」
時の流れと身体の衰えに頭がついていけないというビリーの訴え。

Sam: The thing is... It's crazy, but whenever something spectacular happens to me, the first thing I want to do is tell my wife about it. And, after 40 years of marriage, if I can't tell her about something wonderful that happened to me, it sort of stops being wonderful.
サム「ばかげているようだが、何か特別なことがあったときはいつもまず最初に妻に伝えてきた。結婚して40年、すばらしいことが起こってもそれを妻に伝えられなかったら、それはすばらしいことではなくなってしまうんだ。」
言ったのはサム。あれほど望んでいた若くてセクシーな娘といよいよことに及ぶにあたって、急に女の子を押しとどめて言う。女の子は怒ることなく、「あなたのような人と結婚したい。」とつぶやくのであった。夫の鑑のような言葉だ。

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