映画「ザ・ミソジニー」を先行で見る(感想)

ザ・ミソジニー
2022年 日本 77分
監督・脚本:高橋洋
スタイリングディレクター(衣装):藤崎コウイチ
出演:ナオミ(中原翔子)、ミズキ(河野知美)、大牟田(横井翔二郎)

7月24日に、新宿シネマカリテのシネカリ(カリテ・ファンタスティック・シネマコレクション2022)で、高橋洋監督の新作「ザ・ミソジニー」を見た。(そのあとコロナに感染したりして、ブログに感想上げるのが大幅に遅れた。)

タイトルから、男尊女卑で女性蔑視のいやな野郎が謎の洋館で二人の美女に酷い目に遭わされる痛快ホラー?と思っていくと、全然ちがう。
林に囲まれた洋館を舞台に二人の女と若い男が、なにか霊的なできごとに遭遇するのだが、なにが起こっているのか、見ていてもよくわからなかった。

女優で劇作家のナオミ(中原翔子)はとある洋館をひと夏の間だけ借りて住んでいて、執筆中の戯曲の練習をするために、友人の俳優ミズキ(河野知美)を呼び、ミズキはマネージャーである大牟田(横井翔二郎)とともに洋館を訪れる。その戯曲は、殺された母と娘の物語で、ナオミがかつてテレビの特番で見た失踪事件がもとになっていた。そして、実はこの洋館はその母娘が住んでいた家らしいのだった。
というところまでは理解したが、そのあとわからなくなっていった。

チラシにもあるように、二人の女優が演じているのが、自分なのか、「役」なのか、それとも降りてきた「霊」なのか混然となっていくのがおもしろいのだと気づくが、それにしてもいまどの状態なのかわからない。
しっかり作られた重厚な画面において、ゴージャスな衣装(年代物の本物の司祭の服などを交えているそうだ)をまとった大人たちが、とにかくなんか霊的な事態にまじめに真っ向から取り組んでいる。なにやっているかわからないのだが、見入ってしまう。
画面に漂う痛快なまでの陰うつさは、高橋洋作品の持つ妙味のひとつだと思っているのだが、今回はそれが全編に渡ってずうっと漂っていて、よかった。
プログラムを見ればわかりますと舞台挨拶で壇上に立った監督が言うので千円のプログラムを買った。内容がびっしり詰まっているプログラムで「STORY」を読めば何が映っていたか、何をやっていたかはわかったが、なんでそうなるのかはよくわからなかった。
何回見てもスッキリわかる感じはしないのだが、とりあえずプログラムを読んだあとでもう一回観に行ければと思う。

※「ザ・ミソジニー」は、9/9(金)からシネマカリテにて上映予定。

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